３年目の

忙しい当日の話 ページ22

楽しみなことでも辛いことでも、毎日バタバタとしていれば、当日なんてあっという間に来てしまう。雲一つない空の元で、最後の体育祭そして最後の生徒会としての仕事をこなす。



「 ４列に並んでくださ〜い。」



声を掛けながら召集を掛ける。学年リレーは人数が多くて大変だよ……。



「 ああ！！また会いましたね、Aさん！」
「 私の名前知ってるんだ。」
「 スガさんから聞きました！俺は田中龍之介って言います！」



確か、良く威嚇をする２年生の坊主の子だ。聞いてもないのに名前まで教えてくれた。元気だなあ。



「 そっか、よろしくね。」



そう言って、そろそろ入場が始まるためその場を離れようとする。



「 あの、最後に一ついいすか？」
「 うん。」
「 頑張れって言ってもらいたいっす！！」
「 でも、私たち敵なんだよね。どうしようかな〜。」



少し意地悪してみると、「 そこをなんとか！！」と全力で頭を下げられた。うん、なんか、勢いが怖い。



「 おい田中行くぞ！ 」
「 早く行かないと、置いていかれちゃうよ？」
「 は、はい！」
「 あ、そうだ。田中くん、頑張ってね。」



去り際にお望み通りエールを送ると、「それは狡いっす！！」なんて言いながら全力で走っていった。



「 なにが狡いんだ。」



そう言えば、こういうのって"焦らし"って言うんだっけ？いつかのYuiさんの歌にあった恋の駆け引きで使うような。……彼に対しては全然その気はなかったけれど。



「 翠川さんって……。」



聞き覚えのある声がして後ろを向くと、日向くんが固まっていた。……なんで？



「 翠川さんって、田中さんと付き合ってるんですか！？」
「 それは、とんだ誤解だよ。」
「 じゃあ、やっぱり菅原さんの……。」
「 それも違うね、うん。」



そう返事をすると、不思議そうな顔を見せる日向くん。そんな「 えぇ……。」みたいな顔されても……。



「 まあ、良いや。一緒に応援しよっか。」
「 良いんですか！」
「 もちろん。」

部活動リレー【 修正済 】→←からかわれるとは思ってた

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