３年目の (ページ19) - 小説/夢小説

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３年目の行事ページ19

この時期になると、部活を引退した同級生もぼちぼち出てくる。そんな中で、高校最後の体育祭が近付いている。当日は生徒会の仕事がありなかなか必須競技以外には出れないが、応援は全力でするつもりだ。

「菅原は選択競技、なんか出る？」
「借り物競走と部活動リレー。Aは今年も仕事？」
「うん。最後くらいなんか出たかったけど、全力で応援するねー。」

結団式を終えた生徒達はそれぞれ部活に向かいながら、２人のようにどの競技に出るかや当日はどんな髪型をするかなど楽しそうに話していた。

「さて、私たちの最後の仕事だね。」
「これで引退かあ。ちょっと寂しい。」

体育祭に向けての準備の前に生徒会長と早いなあ、と過ごしてきた２年間を懐かしんだ。生徒会長としての仕事はまだあるらしいが。

「そういえば、ハチマキどこだっけ？」
「あー、倉庫にある。先生が後で持ってきてくれるって。」
「了解。」

今年の体育祭のスローガンは"戮力協心"。全員の心をひとつにし、一致協力して物事を行うこと、という意味だ。体育祭にぴったりな四字熟語だと思う。

「借り物競争のお題目も考えなきゃだね。」
「やっぱり、好きな人ってのは入れたい。」

と部員の子が提案すると、
「それを菅原くんに引いてもらいたい。」と由実がこっちをガン見して言った。確信犯は取り締まるべきですよね、やっぱり。

「会長！！」
「ごめんごめん。でもそのお題はあった方が盛り上がるよね。」

由実の言葉に「まあね。」なんて気の抜けた返事をした。────もし本当に菅原が引いたとしたら、誰連れていくんだろう。彼奴、好きな人いるのかな？────これ以上は考えるのを辞めた。辞めたというより脳が勝手にブレーキをかけたと言う方が正しいのかもしれない。お前にはまだ早い、と。

「次は、如何にスムーズに招集をするか。」
「もっと分かりやすくした方が良いよね、招集場所。」
「アーチでも創る？」
「それが一番良いけど、時間あるかなあ。」

小さいことだとしても、少しでも体育祭を盛り上げることに繋がるなら話し合って結論を出す。苦に感じたことはないし、達成感も感動も倍になって返ってくるから、入って良かったと心から思える部活だ。

「札立てるのは？青軍招集場所、みたいな。」
「それ良いかもね。あと白線引いて、後ろに並んでもらおう。」
「うん。」