３年目の

時が過ぎるのは早い ページ16

ついこの間だ音駒と練習試合なんて言っていたのに、今日はもうIH予選の日。菅原にファイトとLIMEを送ると、ありがとうと言っている黄色いクマのスタンプが送られてきた。可愛いな。



「 今日はやけに丁寧だね、ノート。 」
「 波瑠ちゃん。まあ、人に見せるから一応読めるようには書いておこうと思って。」
「 菅原くん？」
「 うん。」



１年生の時に一度頼まれてから、今やもう暗黙の了解という感じでノートを渡している。



「 相変わらずお熱いね。」
「 だから、そんなんじゃないって。」



彼らには私も含めここに居る人の大半が知らないほど努力があって流した汗があるんだと思う。バレー部だけじゃない、この時期部活の大会に出ていく人は皆努力を重ねて本番に挑む。一言で片付けてしまうのはどうかとも思ったけれど、"青春"という言葉がぴったりだ。

そう思うと、私の事じゃないのになんだかそわそわする。



「 気になるのも分かるけど、落ち着きなよ。 」
「 落ち着いてる……つもりなんだけどなあ。」



授業中に携帯を使うのは御法度なので、休み時間にLIMEを開く。菅原から１件"明日もノート頼んで良い？"と入っていた。"もちろん。今日の分のノートは、机の上置いておくね。"と返信をして、電源を落とす。



「 烏野、勝ち進んだみたい。」
「 ええ！凄い！」
「 どおりでスマホ見つめるあんたの頬が緩んでたわけだ。」
「 え。別に緩んでないし！」



実際に頬が緩んでたかどうかは定かでないけど、LIMEの相手が菅原だって事まで当てられたのでこう抵抗するしかなかった。

こういう時、決まって色々言われるのは分かっていた。でも、
「 私のツンデレラの異名を継ぎそうだね。」と波瑠ちゃんに言われたのは、納得いかない。私がツンデレな訳ないじゃんか。

結果というものは時に→←出掛け先でも会うとは縁が深いのかもしれない

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