３年目の

よくバレなかったねって ページ11

「 せんぱーい。こっち終わりました。」
「 よし、こっちも終わった。これで全部かな。」



先生方に頼まれた資料を作成し終え、「 疲れた〜。」と椅子に深く腰掛ける部員達。その中でやけにそわそわしている１年が１人。もちろん、あの子。



「 もしかして、トイレ我慢してた？」
「 え、違いますよ！あの、ちょっと抜けても大丈夫ですか？ 」



そう言われたので会長に聞くと、「仕事も終わったし、良いよ。」と快くＯＫしてくれた。「 ありがとうございます。先輩、行きますよ！」とどこかへ出掛ける約束でもしていたかのように私の腕を引っ張るこの後輩。



「 どこ行くの？」
「 何処って、体育館です。」
「 え、なんで。」



彼女は町内会の人達が来ているのを見て、練習試合があると踏んだらしい。その予想は見事的中するんですが、強制的に覗き魔の共犯者になることについてはどうも納得がいかない。



「 うわあ、かっこいい。 」



目の輝かせ方が女の子だね。無理矢理連れてこられたけど、来てしまったからには少しだけ気になるのも事実で。

真由香の隣で中を除けば、見た事のある２人がいる。西谷くんだけじゃなくて東峰くんも戻ってきたんだと何故か分からないけど安心した。

例えブロックされても、勝つためにボールを上げ続け、そして、打ち続ける。セッターもリベロもアタッカーも、コートにいる全員が輝いていてかっこよかった。



「 そろそろ戻ろっか。 」
「 ですね。」



なんだかんだ見入ってしまったが、バレるのはなんとなく嫌なので早めに退散することに。



「 ……あ。 」



体育館に背を向けて歩き出す。夜ご飯なんだろうなんて呑気なことを考えていたら、後ろから声がした。



「 潔子、お疲れ様。」
「 Aもね。もしかして、観てた？」
「 ……うん。この子の連れで。」



「 そっか。」と返事をし、真由香に挨拶をする潔子。当の真由香は、恥ずかしそうに会釈をしていた。



「 中で観ていけば良かったのに。」
「 良いの良いの、もう充分観たし。それと、今日のことは内緒してて欲しいな、って……。」
「 うん、良いよ。」



いつも通りの整った笑顔で、快く返事をしてくれた。



「 その代わりにお願い聞いてもらってもいい？」
「 うん、私たちにできることなら。 」

今は無き調理実習【 修正済 】→←委員会にいた気がする

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