３年目の (ページ2) - 小説/夢小説

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初々しい新入生ページ2

放課後、新入生が真新しい制服を着て、部活動見学をしていた。「もう決めた？」「まだ～。」なんて声がとても懐かしく感じる。

……そんな呑気なこと言っている場合でもなくて、私も私で新入生の勧誘をしなければいけないんだけど。

ただでさえ人数が足りていない生徒会執行部、１人でも多くの新入部員を入れて心置き無く引退しようと３年生はこの時期必死に動く。まだ他の部活も始まってないというのに。

「あ、A！」

彼女の名前を呼びながらいつも通りの笑顔で手を振ってこちらに向かってくる菅原と、その横にいる新入生だと思われる女子生徒。

「どうしたの？」
「この子が生徒会室まで行きたいって言ってたから連れてきた。」
「そっか、ありがとう。」

その女子生徒は菅原に一礼をすると、隣にいた生徒会室の部員の後ろについて説明を聞き始めた。

「生徒会の勧誘、毎年熱いよな。」
「入ってもらわないと、後々困るからね。必死なの。」
「サボんなよー？」
「分かってますー。」

少しだけ立ち話をしていると、後方に澤村くんの姿が見えた。菅原を呼んでいるようだ。

「今行く！じゃあ、頑張って。」
「うん。菅原も部活、頑張れ。」
「おう。」

そう言うと、走って澤村くんの元へ向かっていった。バレー部の新入部員はどんな子が入るんだろうなあ。

「先輩！」

元気な声が聞こえたかと思えば、懐かしい顔がいた。同中の後輩だ。「真由香、久しぶり～。」と手を振ると、彼女は「どう？似合ってます？」とクルクル回って新品のスカートを揺らした。

「よく似合ってるよ。入学、おめでとう。」
「ふふ、ありがとうございます！それよりさっきの人、先輩の彼氏ですか？」

そう言ってニヤニヤしている彼女は、大のゴシップ好き。分かりやすく表で話したり噂したりはしないけれど、持っている情報量が引くほど多い。

「彼氏じゃなくて、友達だよ。真由香だって、男友達くらい居るでしょ？」
「そりゃ、居ますけど……。つまんないです！」
「よし、じゃあ、つまる話をしに生徒会室に行こうか。」
「 ……私こんな強引な勧誘初めて見ました。」

そんな生意気言いながらも、「 A先輩が居るなら、入部します！」なんて笑う後輩は本当に人懐っこい奴だとしみじみ思う。それから生徒会の説明をしたり雑談したりして、１日目の勧誘を終えた。