Perennial Blue ページ4
Aが潔く剣を下ろした理由は、それだけでは無かった。
ノリントン率いる海軍がすぐ来ると気付いたからだ。すぐに鍛冶屋の扉を勢いよくドンッドンッと叩く音がした。
その音を聞いて、裏口を塞ぐようにして立ったウィルはジャックの首すれすれまで距離を縮めた。
しかし、ジャックの手には弾が一発入った銃。
「 どけ！ 」
「 嫌だ！ 」
「 頼むから！ 」
頑なに動かないウィルに、この弾で撃ちたくないと言い放ったジャックにAはあの事を思い出した。
そして、その一発の弾で復讐する気だと言うことも。
そっちに気を取られていて、気配すら気付かなかったが、ウィルの親方のブラウンが後ろから瓶でジャックを殴ったのだった。
ジャックが気絶したと同時に海兵達が中へ入り、ジャックの周りを取り囲んだ。
「 よくやったブラウン。 お陰で海賊を捕らえることが出来た。 」
「 市民の努めを果たしたまでです。 」
というと、提督の目線がAへと移る。
「 A。こんなところで何をしている。 」
『 友達に会いに来ただけよ。それより、仕事した方が良いんじゃなくて？ 』
「 …ああ、そうだな。
今日という日を覚えておくが良い。キャプテン･ジャック･スパロウが惜しいところで逃げ損なった日だ。」
ノリントン達がジャックを連れ去ると、ウィルは何か言いたげな顔をしていた。
『 大丈夫。私も海賊と一戦を交えたことがあるの。 』
「 あ、ああ…そうか…。 」
普段は敬語なウィルだが、Aとは2人になると敬語が抜けるのだ。
『 あ、そうだ。エリザベスの様子見に行かない？貴方が来てくれれば、エリザベスも喜ぶと思うのだけど。 』
「 嬉しいけど、辞めておくよ。片付けもあるしね。 」
『 そう。分かったわ。 』
それだけ言うと、Aはエリザベスの元へ向かった。
『 エリザベス、大丈夫？ 』
「 ええ。でも、コルセットはもう懲り懲りだわ。 」
そうね。と返事をしてエリザベスの隣に座ると、彼女の首のネックレスに引っかかった。
アステカの金貨。Aも良く知っている財宝だ。
『 ねえ、そのネックレスどこで… 』
「 …どこだったかしら…覚えてないわ。 」
『 そう。そんなことより、元気そうで良かった。安心した。 』
「 心配かけてごめんね。 」
それからどれ位かエリザベスとAは談笑し、日が暮れた頃にAは家に帰った。
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すずりんな(プロフ) - ねこねこさん» コメントありがとうございます！応援とても嬉しいですし、もちろん励みになります！気まぐれ更新ですが、この作品をよろしくお願いします！ (2017年8月11日 0時) (
レス) id: c5d7fb941e (このIDを非表示/違反報告)
ねこねこ - 面白いです！励みにならないかもしれないのですが、これからも頑張って下さい！応援してます！ (2017年8月10日 23時) (レス) id: 07a999bad8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すずりんな | 作成日時：2017年7月15日 19時
