Rainy Blue ページ3
港の騒ぎが聞こえなくなった所で掴まれていた腕が離された。
「 あんな所にいてバレたらどうするつもりだったの？ 」
『 バレるはずないわ。 』
「 出ていこうとしてた癖によく言うわね。 」
『 …否定は出来ない。 』
街の情報屋とも言われるアデルは、Aを小さい頃から知っており、Aは一時期アデルの家にお世話になった事もあるという。
『 親友が人質にされたのよ。見ていられなくなるのも無理ないじゃない。 』
「 分からないことはないけど、今出ていったところであの海賊だけじゃなく貴女も捕まることくらい… 」
『 ええ、考えついた。 』
親友の緊急事態に何もしてやれなかったことを悔み、今はただ親友の身を案じていた。
「 どうやら提督から逃げられた様だね。街の方も騒がしくなってきた。 」
『 船が無ければどうしようもないけど。まあ、私には関係ないわ。 』
...
ウィルは家に帰ると違和感を感じた。いつも通りの室内にあるはずのない帽子があるのだ。
その帽子に触れようとすると、手の甲に剣が置かれた。
それは紛れもなく海賊の剣。
「 例のお尋ね者。海賊だな。 」
「 お前見覚えあるな、どこかで脅したことあるか？ 」
「 海賊は極力避けるようにしている。」
とは言ったものの、この海賊と一戦を交える事にしたウィル。
自分自身の良心と、エリザベスのためであろう。
ウィルは普通の鍛冶屋とは思えないほどの剣術を備えており、ジャックはその剣術に身に覚えがあるようだった。
『 ウィルい、る…？ 』
鍛冶屋の扉を開けなければ良かったと後悔したが、もう遅かった。
固まっているウィルに対し、何かを納得したようにウィルの剣を躱し目線をAに向けたジャック。
「 そうか。港で海兵達以外の誰かの気配を感じたが、それはAだったのか。 」
『 ええ、そうよ。久しぶりね。 』
「 ああ。居たんなら助けてくれても良かったんじゃないか？ 」
『 …ごめんなさいね。私、提督の妹なの。 』
というと、ジャックに剣を向けたA。
「 おいおい、冗談だろ？ 」
Aがその問に答えようとすると、ウィルも再びジャックに剣を向けた。
「 すまんがA。こいつの相手は俺がする。 」
『 …随分と頼もしくなったものね。分かったわ、任せる。 』
その後に、このドレスじゃ動きにくいしね。と付け足した。
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すずりんな(プロフ) - ねこねこさん» コメントありがとうございます！応援とても嬉しいですし、もちろん励みになります！気まぐれ更新ですが、この作品をよろしくお願いします！ (2017年8月11日 0時) (
レス) id: c5d7fb941e (このIDを非表示/違反報告)
ねこねこ - 面白いです！励みにならないかもしれないのですが、これからも頑張って下さい！応援してます！ (2017年8月10日 23時) (レス) id: 07a999bad8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すずりんな | 作成日時：2017年7月15日 19時
