snowmanの10人目はSSR ParⅢ (ページ2)

今日:1 hit、昨日:10 hit、合計:10,519 hit

ーーーページ2

「以上で Fin役喜多川柊さんオールアップとなりますー！！！」
「ありがとうございました」

花束を受け取り控えめに頭を下げる。
次のコレクションの予定があり誰よりも早く撮影を終えてもらった

「やっぱり、演技のお仕事は向いていないと
実感いたしました。このような機会を与えてもらえたからこそ、演技NGを貫かせていただきます」

ヘラりと笑えば、監督が何故か誇らしげな顔
俳優：喜多川柊は俺しか撮れないってことだな！と
握手をして撮影場所を後にした。

「おつかれ」
「辰哉」
「柊はドラマ班じゃなくなったらバラエティー班になるってこと？」
「俺は、蓮とラウールとモデル班です」
「何も言えねぇじゃん」
「けど、蓮はドラマ班だしラウールはバラエティー班になりかねないからなぁ……」
「あっはは、何を真剣に考えてんのよ｣
「俺はいつでも真剣だよ？」

紫のパーカーをまるで私服のように着こなして
ゆらりと、控え室へ戻る
ほかのメンバーもパーカー姿で、メイク待ちのようだ

「あ、柊くんや～おつかれさまですぅ～」
「お疲れ様、康二」
「全然、柊くんも絡まないで撮影終わったんやけど？？」
「どうしてでしょうね～？」

なんでなーん！？と聞いてくる康二をよそ目に
メイク室にいた、ラウールに手を振ると
メイクさんに一言声をかけて、こちらにやってくる

「柊くん、あの、」
「この前はありがとう」
「いや、全然！！」
「おかげで楽になった」
「よかった、じゃー……はい！」

長い腕を伸ばして、近くのテーブルにあった
常温のペットボトルの水を差し出してくれた

「このあと、大阪って聞いたよ。いってらっしゃい」
「うん、いってきます」

にっこり笑う最年少
そこには、芯もしっかりあって頼もしさをも感じた
末恐ろしいなぁ、とロングコートを脱ぐ

「うぉ！柊！」
「大介、ほかの人たちみんな入ってるよ？」
「間に合った？」
「んー、それはどうだろうか」
「なんそれ！！もー！」

ドタバタと控え室に入っていく。
少し先に撮影を始めていた俺のスマホには
佐久間遅刻、という通知があって
焦ってたのはそういうことか、と納得する

お先に失礼します～。残りの撮影頑張ってね～

着替え終えて撮影場所を後にする
次はGIVENCHYとの仕事なので香水を1振り
ふぅ、と息を吐く
先日頂いた、甘いバニラの香りのするもの

「さてと、モデルのお仕事頑張りますか」

日差しがまだ高いので、サングラスをかけて
足早に駅へ向かう