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「ちょっと、これ、やりたい気持ちあった」
照が、ずっと辰哉が踊っていた振りを小さくやる。
俺はそっと涼太と大介の間に戻っておく。
「やりたい気持ちはあったけど」
「え？え？岩本さんやりたいんですか？」
「違う違う、隣に柊もいたし、ふっかがこういうのやったなって……」
話途中に辰哉が先程まで頭に巻いていたタオルを照に差し出した。
「これが必要なの？」
「犯人は青いタオルってこと、なのか」
「これは儀式なの？」
「これが必要なのね」
「1回巻いてもらう？」
受け取った照葉、頭に青いタオルを巻いた
頭にタオルを巻いた照は見なれているし、
やはり似合うという声も上がる。
「シンプルにサビを復習ということで」
「柊くんはやらんの？」
「うん、やっぱり振り付けの人の最後にちゃんと見たかなって思って」
「じゃぁ、音お願いします」
結果は案の定だった。
キレッキレのあの辰哉の謎ダンスから
共鳴したのか辰哉も踊り出すし、全部のカメラにアピールするし。散らかったダンス解説になったのは間違いない。それと、スタッフさん達もよく笑っていた
「いやー良かったね、止めたくなかったもん」
「これ編集が大変なんだよ」
「皆さんはふっかの振りではなくて、俺の振りをね
覚えて、一緒におうちでやって下さい。よろしくお願いします。以上」
【snowmanでした！】
何とか終わった解説動画の撮影
今回は深澤辰哉の神回となるのだろう。
「もー、マジでふっかなんなの！」
「めっちゃ面白かった〜！！」
「ふっかさん蹴ったとこ大丈夫？」
「全然平気、まじ、面白〜！！」
辰哉も満足気に笑っている。
こういう悪ふざけも皆で楽しめるのは
メンバーのいい所なのだ
「でも、ファンの子何人かは
辰哉の方で踊ってきたらどうする？」
「笑って歌えない気がする」
「狭い客席で、やられたら、無理だよね」
「注目の的だ」
雑談しながら着替えにいく。
ケラケラ笑いながら、蝶ネクタイを取ってワイシャツのボタンも外す
「ふっかの最後の振りは即興？」
「まぁね〜。あれ、ずっと考えてたら逆に出てこないと思うわ」
「確かに」
「よし、じゃあ、俺次の仕事あるんで」
「え？まじ？」
「ん？嘘」
「なんだよ、それ」
翔太に思わず突っ込まれる。
今日はなんとなく早く帰りたい日だっただけ。
君の彼氏になりたい、のレコーディング風景も
ダンプラもダンス解説も撮った。
どうやらほかのメンバーにはYouTube撮影組もいるみたいだった。
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作者名：りんご | 作成日時：2023年2月16日 10時
