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岩本side
割り切っていた。
この7人でデビュー出来なかったのは何かしらの原因があったことを、上辺ではわかっていたこと。
だけど、この7人揃うとやっぱり何一つ足りないことは無いと思ってしまうから。
「10人でデビュー出来たことは揺るがない事実だよ」
まだ少し残っている缶ビールに視線を落とすと
ずっと、ニコニコと話を聞いていただけの柊が
静かに口を開いた。
「俺を含めた7人や抜いた6人でのデビューは出来なかった理由は気になるけど、気にしたところでもう何も変わらない」
柊は静かに、淡々と話を続けていく。
わいわいしていたメンバーたちも、静かに柊の言葉を聞いた
「だったら、この10人でどんな道を歩めるのか
どんなことが出来るのかを、考えてい方が建設的だと俺は思うな」
視線を落としたまま話した柊はふわりと微笑み、
俺たちを見た
「これからも、仲良くやっていこうね」
「柊……」
「確かに！デビュー出来たし！ライバルも居る！
職人集団snowmanと言われてるからには、職人であり続けないとな〜！」
「柊はもちろん、新規メンバー3人にも
職人になってもらわないとな？」
「フライング準備できたら肩叩いたりするやつは、ラウールやってきてるのかな？」
一瞬静かになった空気を変えたのは
切込隊長と言うだけある佐久間だった。
そこから、ふっかがのって阿部ちゃんもまとめる。
涼太はまた料理に取り掛かる。
「柊から仕事の話聞けるの珍しいから
もうちょい酒を飲ませてみようかな」
「え？おれ？」
「そーね、柊から仕事の話聞きたいから飲ませよっか？はい、俺特性のスクリュードライバーだよ」
「ありがとう」
グラスを受け取る柊
俺の視線に気づいて、ん？と小首を傾げてくる
少し長い髪が揺れる。
その姿がなんだか色っぽくて、柄にもなくドキドキする。
「佐久間、あざとい警察」
「なんだと！被害者！！話を詳しく！」
「無意識のあざとさがあります」
「俺の事？」
1口グラスのお酒を飲み、佐久間にもさきほど同様に
柔らかく首を傾げると、うおおお、と分かりやすく佐久間が叫ぶ
「これは、俺一人では無理かもしれない！」
「大介に捕まるのは嫌だなぁ、辰哉ぁ〜助けて〜」
「あざとい警察きちゃったのか〜」
ひらりと、佐久間をかわし
自分に向けられていた視線を周囲へと散りばめる
柊って、こういうヤツだった。
ずっと、第三者のような立ち位置で俺らのこと見ている感覚。
これが、柊の持ち味なのだと思うことにする
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作者名：りんご | 作成日時：2023年2月16日 10時
