ハードスケジュール ページ20
「お疲れ様でした、ありがとうございます」
モデル柊としての撮影が終われば
次はアイドルとしての柊の撮影がある為に
早急に移動する日常が始まる。
毎月のように発売される雑誌の撮影、インタビューの受け答え。セカンドシングルの歌入れや振り落とし
一日が24時間だと足りないと思った日が連日続いている。
このハードスケジュールを選んだのは自分だからと
強めの炭酸水を飲み干して、空腹をも紛らわせる
(さすがに、寝て無さすぎる)
常に気を張っていることが多い
デビューをしてからというものの、新人モデルや
中堅モデルから痛い視線を向けられることが多くなった。
このショーモデルとしてやれる期間が短いからこそ全力を注いでいるのだから、片手間でやるなよって思われているのも仕方がない。
けれど、片手間でやっているつもりは全くないのだ
「おはようございます」
「柊おはー」
「おはよう、王子。今日も撮影終わり？」
「うん」
控え室に行くと、中央のテーブルで
飲み物を飲んでいる涼太と、その隣でスマホを見ている大介がいた。
「あれ、あんまり集まってない？」
「集まってるよ。少し前の撮影が押しているみたいでコンビニに行ってる人達もいる」
「なるほどね」
涼太の斜め前に座り、カバンからパソコンを出す
どこまでメール返したかなと、画面を眺めても
全然頭に入ってこないし、目が追いつかない。
仕方がない、と運転の時にかけるメガネを取り出し
再度パソコンを見つめる。
「あれ、柊くんきてる」
「おはよう康二」
「柊もう来てんの！？まじか！」
「もう少し遅く来ればよかった？」
コンビニに行っていた、蓮、翔太、亮平が戻ってきた。
「ほかの4人は？」
「別室で、YouTube撮ってる」
「たいへんだねぇ……」
「柊も参加してきたら？ふっか達がアプリで遊んでるよ」
「アプリ？」
「そう、顔を変えれるアプリがあって
女性や年配になったりするもので美少女決めるんだって」
「なるほどね」
メンバーは、照、辰哉、ラウールに康二
このメンバーだとらラウールが一人勝ちしそうな雰囲気だなぁと想像を巡らせる
「柊いるなら納豆巻き買ってくればよかった」
「俺は納豆巻き以外も食べるよ？」
みんな少し小腹が減ったからと軽食を買ってきたみたいで、レタスとハムのサンドウィッチを選んだ
パソコンを程々に閉じて、1度伸びる
「なんか、柊くん疲れてます？」
「疲れてるというよりも、久々に眠たい感覚があるかな」
「撮影まで寝てください！」
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作者名：りんご | 作成日時：2023年2月16日 10時
