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レコーディングは、辰哉と同じ日
まぁ、大体を辰哉と同じようにしてもらっているのは
理由があった。
「無理だ、もう、嫌だ」
「柊〜！ちゃんとしてー！ほーらー！」
「歌いたくない、無理、あーー聞かないでー」
自分の声がとてつもなく嫌いで、
どんどんやりたくない空気感が出てしまうから
辰哉によるメンタルサポートが必要なのだ。
そして、今日は
「ほら、柊。今日はたまごサンドウィッチ作ってきたよ」
「涼太、ありがとう」
「ほんと、うちの弟は手がかかるね」
涼太による餌付けもあり、なんとかデビュー曲のレコーディングが終わった。
レコーディングの後は今日はジャケット撮影もある
辰哉のメンタルサポートのおかげで、レコーディングは押すことなく終わった
「次の移動は涼太も乗っていきなよ」
「いいの？ありがとう」
「撮影前にコンビニ行きたい」
「うん、わかった」
次の移動に向けて荷物を詰め、レコーディングスタジオからでる。コンビニに並ぶ暖かい飲み物についつい手が伸びるし、この時期はチョコ新作に目が行く
「これ、照に買っていこう」
「相変わらず、人の好きな物覚えてるね」
「いや、照はみんな分かっているでしょ？」
「そりゃそっか、はいカゴにどーぞ」
「ありがとう」
「……2人はいつもそんな感じなの？」
「ん？何が？」
一緒にコンビニに来ている涼太が、不思議そうに聞く
こんな感じ、とはどういう事なのだろうか
「コンビニは辰哉が会計するね」
「そうね、俺柊にも財布出させないから？」
「ご飯行ってもそうだもんね？」
「柊は俺の足になってもらってるし、服とかめっちゃ貰うし」
「そうなんだ」
涼太はうんうんと頷いて
「俺、この双子推せるな」
「え？」
「俺と翔太との関係よりもやっぱり近い気もする」
「ゆり組には敵いませんよ」
「そんなことないと思うけどね？」
買い物を済ませて、車に戻る
辰哉がコンビニの袋を手に持って
その中から、ほい、と差し出される
「あ、それ買っておいてくれたんだ」
「気になっていたでしょ、さっき」
「うん、ありがとう」
「推せる、この双子推せる」
「涼太？何をかみ締めてるの？」
「ファンはこういう気持ちなんだな……」
涼太は何か新しい扉を開いたようで
これ以上何を言っても聞こえていないようだった
辰哉は特に気にする素振りもないまま
撮影スタジオへと向かう。
「先に蓮と翔太と大介が撮影してるんだっけ？」
「そ、その後は照とラウール」
「最後に阿部、康二がきて集合」
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作者名：りんご | 作成日時：2023年2月16日 10時
