Dグレ ー二番目の恋達ーThe second loves 第3夜

犬？猫？ ページ46

「ユウは…何が好きなんだ？」

「は？」

「動物」

「興味ない」

「強いて言えば！」


試しに聞くと、私の腕の中にいるクロを眺めていた彼は少しの間を置いてから、目を上にそらしてしばし沈黙した。



「…………犬か……？いや興味ねーけど」

「あ、昔から変わってないんだな」



思った事を何気なく口にする。と、その言葉が引っかかったのか、彼は疑問そうな表情を浮かべた。



「…ん？どした？」

「…俺はお前に、犬が好きだなんて言った覚えは無ぇぞ」

「あ？そうだっけ？」



お互い頭に？マークを浮かべながら見つめ合う。何で犬が好きだなんて思ったんだっけ…。
8年と少し前の記憶を掘り起こしながら、うーんと唸る。



「…あぁ！あれだ、昔図鑑見てた時、ユウが犬の方ばっか見てたから、それで好きなのかなーって思ったんだ。確か」

「……？」図鑑？



思い出してユウの顔を見るが、彼はまだピンときてない様子。



「アルマと３人でさ、ズゥじっさまからどうぶつ図鑑借りたの、覚えてない？」

「……？？」

「あ？忘れたなんて言わせないからな！あの日から私のあだ名はゴリラになったんだぞ！」

「あぁ、あれか」思い出した

「それで思い出すなオラァ！(腹パン)」

「グフゥ」


ユウを滅ぼしてふぅーっと息を吐くと、クロが床に倒れたユウの頭に乗った。

そんなクロを眺めながら、そういえば、犬と猫の事最初に教えてくれたのはエドガー博士だったなぁ、と思い返す。



ーーー



"いぬ？"

"そう、基本はとっても人懐っこいんだ"

"じゃあ、ねこっていうやつは？"

"うーん、色々あるけど簡単に言うと、ツンツンしてるかなぁ。犬とは真逆かもね"

"へぇ〜、じゃあまるで、ユウとアルマだね！"

"ん…あはは、確かにそうだね"



ーーー


…まぁ、初めて見たのはあそこを出た後だったけどな。
立ち上がったユウの頭に器用に乗り続けるクロを眺め、そんな事を考える。



「猫はもう見慣れたけど、犬はまだちゃんと見た事ないし、見てみたいなぁ」

「……街歩けば見れる」

「ほんと！？触らせてくれるかな？」

「どうだろうな」

「じゃあユウ、次の休み街にお散歩しに行くぞ！空けとけよ！」

「は？勝手に決めんな！」

「どうせ予定入んないんだからいいだろ！行くぞ！」

「……」







「…はぁ、わかったよ」



返事を聞いて笑みをこぼすと、ユウは「しょうがねぇな」と言葉を漏らしながら、歩み始めた私の隣に歩幅を合わせて並んだ。

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