Dグレ ー二番目の恋達ーThe second loves 第3夜

訪問者(神田side) ページ45

昼間、何を考えるわけでもなく、ぼーっと廊下を歩く。通り過ぎる団員が、俺を見て「今日も不機嫌そうだ」と噂をしているが、そんなものはいちいち気にしていらない。


廊下に響く沢山の足音を何気なく聞いていると、それに紛れてどこからかトト、と人じゃない足音が聞こえてくる事に気づく。振り向くと…黒い塊が自分の後ろをついてきている。



「ニャ〜」

「お前…確かAの…」

「ニャン！」



立ち止まってまじまじと見つめると、猫は足に寄りそうように並んだ。

…こいつに会うの、江戸が初めてじゃない気がするんだよな…。



「ニャ？」



ーーま、どうでもいいか。

行儀良く足元に座るこいつから目を離し、廊下を再び歩み出す。



「……」



トトト…と再び聞こえはじめた音は、しばらく歩いても一向に小さくならない。少しため息をついてから、また後ろを振り向く。



「…何でついてくんだ」

「ニャ！」

「………？？」



試しに話しかけてみたが、何を言っているかさっぱりわからない。なんであいつは会話ができるんだ。


……そんな事を考えてると、廊下の奥から丁度今考えてたやつの声がした。



「クロー！」



＊＊



いつの間にかいなくなってしまったクロを探して廊下を歩く。別の道と合流する所で顔を覗かせると、そこにお目当ての奴を見つけた。



「あ！いた！…って、ユウ？」

「…何だよ」

「なんでクロ連れてんだ？」

「コイツが勝手についてきた」

「ふーん？あんまり誰かについていったりしないのに、珍しいな」



私が仲良くしてるから、クロもユウに興味が湧いてるのだろうか。



「なんだクロ、ユウの所に遊びに行ってたのか」

「ニャ！」

「どっか行くなら先に言えよな〜」



しゃがんでクロの目線と合わせると、クロの身体がふっと宙に浮いた。何事かと思って見上げると、ユウが後ろ首を掴んで持ち上げている。



「こいつ連れて帰れ」

「ニャ！？！？」

「こら、もうちょっと構ってあげろよ、好きだからついていってるのに…なぁ？」

「ニャン…」

「知るかよ…」



ユウからクロを受け取って前に抱える。猫にはあんまり興味ないのかな？って思ったけど…ユウは猫に限らず色んなものに興味ないんだった。

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