0組の新入生?! -壱章- 出会い

治らない傷 ページ26

任務が終わりまた自由時間になった皆は、
どこかへ行くのか、教室を出ていこうとする。



…僕もどこか行こうかな…。





そう思い歩きだした。

しかしその直後、腕に鋭い痛みが走る。





A「…っ！」






あまりの痛さに、思わず腕を押さえてしゃがみこんだ。






A「…いっ、た…っ。」



全員「！？」


エイト「A！？」






まだ教室にいたメンバーは僕の異変に気がついたのか駆け寄ってきた。

僕が手を抑えた場所を見ると、そこからは血が滲んで滴っていた。





ナイン「！ おい…！」


ジャック「あれ？そこ、僕ケアルしなかったっけ！？」


A「……っ。」





…だめだ。



魔法が効かない事を皆が知れば、任務に支障が出る。

僕が皆の足を引っ張るわけにはいかない。





持っていたポーションを掴み、急いで口に流しこんだ。






デュース「えっ、Aさん！？」


A「っ……いや、何でもない。」






口をぬぐいながらそう答える。






シンク「ほ、ほんとにぃ〜？」


A「あぁ。すまない、大丈夫だ。」


ケイト「(ポーションって塗り薬じゃなかったっけ…？)」





ポーションならいくらかは効く。
それでも、完全に治癒はしなかった。






セブン「…何か気がかりがあるなら、
マザーに見てもらったらどうだ？」


A「…そうだな、そうするよ。」





そう言うと皆を残し、教室を出る。






A「まだ、痛むな…。」






一人廊下を歩きながら傷口をおさえる。
自分の身体が自分でもよくわからない。







僕は一体…、

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