番外編�� ▼Laughing with you ページ48
「…夜の観覧車もいいもんだね」
『そうだねー…。色々忘れられる気がする』
結婚記念日に遊園地に出かけたら、いきなり不吉なことを言い出したA。
なにそれ不吉。観覧車降りたら貴方誰ですか？とか聞かれるオチとか勘弁してよ。僕耐えらんないよ??
「僕のことは忘れられちゃ困るけどね」
『…ふふっ、忘れるわけないじゃん』
向かい合わせに座った観覧車。少しの少しのネオンに照らされる顔が儚げで愛おしくて、今すぐにでも抱きしめたい気持ちを押し殺して動かないようにする。
『ねえ』
「んー？」
『好きだよ』
「……はっ？」
予想だにしなかったまさかの告白にたじろぎつつ、火照る顔を隠しながら 僕もだよ と返事をした。
「観覧車が1周回るのってどのぐらいの時間か知ってる？」
『えっと…20分だっけ』
「…20分あれば十分すぎるよね」
ここで僕から勝負を仕掛ける。
馬鹿馬鹿しい、傍から見たらただの自惚れているだけなんだろうけど、僕からすれば今までの疲れが吹っ飛ぶレベルで幸せなものだ。
「勝負しようよ。先に照れた方が負け」
『…愛してるよゲーム？』
「んー…それのキスバージョン？ 交互にキスしてって先に照れたら駄目」
『…何それ…絶対負けるじゃん』
見ての通り、Aはキスが苦手なようで、自分からは滅多にしてこない。それでも、無理矢理ゲームにさせてしまえば断れないだろう、と裏をかいた作戦だ。
じゃんけんの結果、幸運なことにAからすることに。
しばらく時間が空いて、観念したのか目を閉じて近付く長い睫毛と形のいい唇に身を任せて触れるのを待った。
思ったよりも長いキスに驚いて、途中で目を開けると、ぎゅっと目を閉じて顔が真っ赤なAが見えた。
我慢できなくなった僕は唇を離す。
「かわい、」
『ぇ…んぅ!?』
少々乱暴に後頭部を支えて、何度も唇を重ねた。
苦しくなっていく呼吸に抗いながら、浮遊感に身を任せてキスに溺れた。
『んっ…、苦し……っ』
「っは…」
バランスを崩したら大変だと思い、慌てて向かい合わせに座り直した。
そんな拙い後片付けも虚しく、一周してしまった観覧車を降りて、道をスタッフさんに促される。
『信じらんない、誰かに見られたらどうするの！』
「自慢するの。僕のお嫁さん可愛いでしょって」
『……もう』
ほら、満更でもなさそう。
番外編�� ▼After that→←番外編�� ▽Face to face
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まか@書き方迷子(プロフ) - 褓さん» ありがとうこざいます頑張ります！(笑) (2020年3月14日 22時) (
レス) id: 840e879cf9 (このIDを非表示/違反報告)
褓(プロフ) - つい先程読み終わりました！笑 続編の更新をも気長に待ってますね！ (2020年3月14日 22時) (レス) id: 8689638df7 (このIDを非表示/違反報告)
まか@書き方迷子(プロフ) - 褓さん» コメントありがとうございます！ それは良かったです…。続編もよければ読んでいただけると嬉しいです！ (2020年3月14日 22時) (レス) id: 840e879cf9 (このIDを非表示/違反報告)
褓(プロフ) - 初めまして、コメント失礼致します。。久しぶりに小説読んでキュンキュンしました（ ; ; ）2人の初々しさが堪りませんでした…！！ (2020年3月14日 22時) (レス) id: 8689638df7 (このIDを非表示/違反報告)
まか@書き方迷子(プロフ) - Noel*26さん» 天月くんなら娘溺愛して甘やかすやろなぁ…っていう偏見で、普通の“ちゃん”より“ちゅわん”のがしっくりくるなって決めつけました(笑) ありがとうございまぁあああぁあぁぁぁぁぁぁあth (2020年3月6日 21時) (レス) id: 840e879cf9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まか@書き方迷子 | 作成日時：2020年1月2日 10時
