▽Listen ページ42
溶けそうになっているアイスは、翔太さんの口に含んだ後、スプーンに染み込んで甘い香りが漂った。
「僕のも食べる？」
『ぇ、あ』
「チョコ。苦手？」
『いっ…いえ』
そこまで言ってくれるんなら、と口を少し広げてゆっくり近付く。
スプーンが目の前になった時、一気にいっちゃえ！と意気込んだ私は、それまで以上にぐっと顔を近付け、スプーンまでの距離はは目と鼻の先にまでなった。
右手でスプーンを持ったまま、私を見て少し笑っている翔太さんはもう一度だけ控えめにスプーンを突き出した。
『……ん』
違った甘さが口に広がり、翔太さんに食べさせて貰った幸福感でいっぱいになる。
「美味しい？」
『…っはい』
正直、味なんか分からない。
「んー、じゃ食べ終わったし…お風呂入ろっか」
『あ、はい…っ』
自分の傍に置いていた、買った下着が入っている袋とスウェットを持って、お風呂を入れてくれた翔太さんにお礼を言いながら浴室へ向かった。
服を脱いで、畳んで洗濯機の上へ置く。自宅とは違う構図なだけに慣れないため、鏡に映る自分が少し恥ずかしい。
中に入って、扉を閉める。シャワーを出してとりあえず浴びようとした。
『……えっわっ!? 壊れ、た？』
勢いよく水が飛び出し、驚いてシャワーを床に落としてしまった。
大きな音がしたので、翔太さんが急いで自分のところに来るのが分かる。
「Aさん！ おっきい音したけど大丈…夫…」
感情に任せすぎたのか、いつの間にか空いてしまっている扉と、石像みたいに硬直している翔太さん。そして水が飛び出し続けているシャワーと同じく石像みたいに硬直している私。
「あ、ぇっとこれっとりあえず着といて…寒いで、しょ」
動揺が目に見えすぎている翔太さんが少し面白くて、我に返るのが少し早かった気がする。
翔太さんは淡々とシャワーを治してくれた。
『ありがとうございますっ』
「……ん、」
耳まで赤くなっていた事には触れずに、浴室から翔太さんが出るのを待って、それまで渡されて巻いていたバスタオルを置いて再び扉を開けた。
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まか@書き方迷子(プロフ) - 褓さん» ありがとうこざいます頑張ります！(笑) (2020年3月14日 22時) (
レス) id: 840e879cf9 (このIDを非表示/違反報告)
褓(プロフ) - つい先程読み終わりました！笑 続編の更新をも気長に待ってますね！ (2020年3月14日 22時) (レス) id: 8689638df7 (このIDを非表示/違反報告)
まか@書き方迷子(プロフ) - 褓さん» コメントありがとうございます！ それは良かったです…。続編もよければ読んでいただけると嬉しいです！ (2020年3月14日 22時) (レス) id: 840e879cf9 (このIDを非表示/違反報告)
褓(プロフ) - 初めまして、コメント失礼致します。。久しぶりに小説読んでキュンキュンしました（ ; ; ）2人の初々しさが堪りませんでした…！！ (2020年3月14日 22時) (レス) id: 8689638df7 (このIDを非表示/違反報告)
まか@書き方迷子(プロフ) - Noel*26さん» 天月くんなら娘溺愛して甘やかすやろなぁ…っていう偏見で、普通の“ちゃん”より“ちゅわん”のがしっくりくるなって決めつけました(笑) ありがとうございまぁあああぁあぁぁぁぁぁぁあth (2020年3月6日 21時) (レス) id: 840e879cf9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まか@書き方迷子 | 作成日時：2020年1月2日 10時
