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若しも、安吾が潜入捜査官で織田作が死んだら。
私は首領の狙いとそればかりを考えていた。
Aが如何なるか、考えている余裕も無ければ、
如何なるか考えず共、彼女なら大丈夫だと信じて止まない私が居る。

『治、お疲れ様。私は少し横浜を離れるよ。』

太宰「そうかい、気を付けたまえよ。」

『忙しい様だから、其方もね。』

太宰「ふふ、私は大丈夫だよ。」

『じゃあ私もきっと大丈夫だろうね。』

どちらかだけ死ぬ、それは私達には無いであろう事だ。
少なくとも私はそう思っている。

『……治、もし何かあったら机電灯の下を見てほしい。
何ね、長期任務だから、保証だよ。』

太宰「何か無くても見るかもね。」

『ふふ、治は遣らないよ。』

太宰「解らないよ。」

『私は断言出来るよ。』

太宰「何故だい?」

『治に関して私の勘は外れないからね。』

Aを、出来るものなら寝台に縛って、
出来るものなら外に出したくない。
私だけを見て、私だけを愛して欲しい。
でも、私にそれが出来ないのもAは知っているのだろうか。

『明日は休みだけど、疲れたから先に寝るよ。』

太宰「お休み、A。」

『お休み、治。』

そう云い合って何時もの様に熱の籠った接吻をする。
この時間だけは、Aが私に染まる時間だ。
壊したい位愛しくて、でも壊せない。
壊してしまいたくない。

太宰「本当は知ってるんじゃないかい?」

呟いた声も虚空に消える。
Aが居ない、私一人の空間。
空虚で、色褪せて、退屈で、真っ黒で。
こんなに汚い世界には居たくない。

改めて感謝→←14頁



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設定タグ:ヤンデレ , 文スト , 太宰治   
作品ジャンル:恋愛
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玉子焼き(プロフ) - 光落ちでお願いします (2019年7月4日 21時) (レス) id: 5ea9416d9b (このIDを非表示/違反報告)
ルフレ - 初コメ失礼します!!光落ちでお願いします! (2019年6月20日 7時) (レス) id: 6e8a9f431b (このIDを非表示/違反報告)
こん。(プロフ) - 闇落ちでお願いします! (2019年6月20日 6時) (レス) id: d886d50175 (このIDを非表示/違反報告)
二次元好きのAlice(プロフ) - 光落ちでお願いします!!この作品好きなのでこれからも応援してます! (2019年6月19日 23時) (レス) id: dae695a2d7 (このIDを非表示/違反報告)
ひね(プロフ) - 初コメ失礼します!!闇落ちがいいです! (2019年6月19日 23時) (レス) id: af86408722 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:緋月 | 作成日時:2019年3月21日 7時

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