15頁 ページ18
若しも、安吾が潜入捜査官で織田作が死んだら。
私は首領の狙いとそればかりを考えていた。
Aが如何なるか、考えている余裕も無ければ、
如何なるか考えず共、彼女なら大丈夫だと信じて止まない私が居る。
『治、お疲れ様。私は少し横浜を離れるよ。』
太宰「そうかい、気を付けたまえよ。」
『忙しい様だから、其方もね。』
太宰「ふふ、私は大丈夫だよ。」
『じゃあ私もきっと大丈夫だろうね。』
どちらかだけ死ぬ、それは私達には無いであろう事だ。
少なくとも私はそう思っている。
『……治、もし何かあったら机電灯の下を見てほしい。
何ね、長期任務だから、保証だよ。』
太宰「何か無くても見るかもね。」
『ふふ、治は遣らないよ。』
太宰「解らないよ。」
『私は断言出来るよ。』
太宰「何故だい?」
『治に関して私の勘は外れないからね。』
Aを、出来るものなら寝台に縛って、
出来るものなら外に出したくない。
私だけを見て、私だけを愛して欲しい。
でも、私にそれが出来ないのもAは知っているのだろうか。
『明日は休みだけど、疲れたから先に寝るよ。』
太宰「お休み、A。」
『お休み、治。』
そう云い合って何時もの様に熱の籠った接吻をする。
この時間だけは、Aが私に染まる時間だ。
壊したい位愛しくて、でも壊せない。
壊してしまいたくない。
太宰「本当は知ってるんじゃないかい?」
呟いた声も虚空に消える。
Aが居ない、私一人の空間。
空虚で、色褪せて、退屈で、真っ黒で。
こんなに汚い世界には居たくない。
396人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
玉子焼き(プロフ) - 光落ちでお願いします (2019年7月4日 21時) (レス) id: 5ea9416d9b (このIDを非表示/違反報告)
ルフレ - 初コメ失礼します!!光落ちでお願いします! (2019年6月20日 7時) (レス) id: 6e8a9f431b (このIDを非表示/違反報告)
こん。(プロフ) - 闇落ちでお願いします! (2019年6月20日 6時) (レス) id: d886d50175 (このIDを非表示/違反報告)
二次元好きのAlice(プロフ) - 光落ちでお願いします!!この作品好きなのでこれからも応援してます! (2019年6月19日 23時) (レス) id: dae695a2d7 (このIDを非表示/違反報告)
ひね(プロフ) - 初コメ失礼します!!闇落ちがいいです! (2019年6月19日 23時) (レス) id: af86408722 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:緋月 | 作成日時:2019年3月21日 7時