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私が治を受け入れてから、もう一年は経った。
治は前ほど私を縛ろうとしなくなった。
元の、双子であった頃に戻った様に感じた。

『ねぇ中也。やっぱり、あの頃は私に何か原因があったのかな。』

中也「だとしても彼奴は異常だろ。」

私は、あの頃中也を好いていた。
治に解らない筈が無かった。

中也「誰かを好きなる事で、他の誰かが傷付くってのは、仕方無い事だ。
何かをする為に犠牲を払うのは必然だろ。」

『ふふ、私が自分を責めてると思ったかい?』

中也「手前は真っ黒じゃねぇからな。」

『この上無い皮肉だよ。』

中也「だろうな。」

こんな日常を続けていたい。
どうせ、その内また壊れるのだから。
そう思うだけの事、許してほしい。

中也「A、若し彼奴が組織から去るとしたら手前は如何する?」

如何いう意味で云ったのか。
私は後に知ることは出来るのか。
考えるだけ無意味、と思う私はきっと昔より頭が悪くなったのだろう。

『如何いう状況で去るかにも依るね。』

中也「手前なら着いていくって即答すると思ったんだが、
そういう答えも有りっちゃ有りだな。」

驚いた様に、しかし納得した様に中也は云った。

紅葉「二人共、森さんから伝言じゃ。
"双黒"に頼みたい仕事がある、とな。」

中也「解りました。」

治が組織を去る時が来たら。
それはどんな意味なのか。

『じゃあ行こうか、中也。』

中也「そうだな、首領が待ってる。」

解らないし解りたくはない。
……だけど。

紅葉「お主等なら大丈夫じゃと思うが、気をつけるのじゃぞ。」

『有難う、姐さん。』

だけど、組織を去る治に私は必要無いだろう。
大きな生きる意味を。
私という分身に比べられぬ大きな価値を、
その時、治は得るのだろうから。

中也「何か嬉しい事でも有ったか?」

『私は笑えているかい?』

中也「笑えて、っつーか普通にニヤけてる。」

『ニヤけてるは嬉しく無いね。』

中也「嬉しい奴居ねえだろ。」

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設定タグ:ヤンデレ , 文スト , 太宰治   
作品ジャンル:恋愛
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玉子焼き(プロフ) - 光落ちでお願いします (2019年7月4日 21時) (レス) id: 5ea9416d9b (このIDを非表示/違反報告)
ルフレ - 初コメ失礼します!!光落ちでお願いします! (2019年6月20日 7時) (レス) id: 6e8a9f431b (このIDを非表示/違反報告)
こん。(プロフ) - 闇落ちでお願いします! (2019年6月20日 6時) (レス) id: d886d50175 (このIDを非表示/違反報告)
二次元好きのAlice(プロフ) - 光落ちでお願いします!!この作品好きなのでこれからも応援してます! (2019年6月19日 23時) (レス) id: dae695a2d7 (このIDを非表示/違反報告)
ひね(プロフ) - 初コメ失礼します!!闇落ちがいいです! (2019年6月19日 23時) (レス) id: af86408722 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:緋月 | 作成日時:2019年3月21日 7時

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