キミに好きだと伝えよう��-DH Said- ページ29
公園に着くと
ベンチに人影が見えた
遠くからでもAとわかるシルエット
初めて会った日
きっとAも僕の事をここから見ていたんだ
(今の僕ら出会った時と反対の場所にいるね)
あの日僕らは出会った
桜が舞うこの公園で
マスクに帽子という怪しい僕と
キラキラ笑顔のA
いつからAの事好きだったのかな？
きっと出会った瞬間に恋をしていたんだと思う
(もっと早くに気持ち伝えてたら、あいつにも勝てたかもしれないのに…)
自虐気味継続中
でも、今日はちゃんと自分の気持ちを伝えるって決めてるから
Aの笑顔がたくさんみたいから
伝えたい気持ちはたくさんあるけど
それはまだ胸にしまって
両手いっぱいの花束を抱えて歩き出した
「待たせてごめんね」
足元に視線をむけていたAを少し下から覗き込んだ
両手に抱えたプレゼントを渡すと
嬉しそうに微笑んでくれる
「じゃあ行こうか」ってさりげなくだした左手に添えられた手が凄く冷たくて
長い時間ここにいたことを物語っていた。
「うわっ！Aめちゃくちゃ冷たい！ごめんね！凄い待ったよね」
不安そうに見つめると
「全然大丈夫だよ！」
ってAスマイル
「う〜っ、ホントにごめんね！僕があっためてあげる」
そう言ってつないだ手をポケットにつっこんだ
こういうのしてみたかったんだよなぁ
ムフフって思ったのは内緒だよ
車までの距離がこんなに短かったっけ？って思うほど
早く着いて
助手席のドアを開けようとしたら
「私、いつもの…」
って言いかけたけど、その言葉をさえぎって
「今日はデートだからAはここ！」
今日は僕の隣に居てほしいから
ここは譲れない
僕が絶対に折れないってわかったみたいで
助手席に乗ってくれたA
隣に乗り込みAのシートベルトをしめてあげる
近づくと香るAのまとってる雰囲気とにおい
それが僕は好きだ
一瞬で僕の事を安心させてくれるから
そしてその香りに余計ドキドキする僕の心臓
(落ち着け僕！！)
小さく一つ息を吸って
「行こうか」
Aに笑顔を向けて
僕はアクセルを踏んだ
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作者名：ゆう | 作成日時：2015年11月25日 23時
