始まり…�� ページ27
時間とは無情に過ぎゆくもので
あっという間にドンへとの約束の時間になった
数時間前まではぎゅったんの腕の中にいた私。
ぎゅったんのぬくもりが少なからず残っている
ドンへの大切な弟からの突然の告白
そして彼にもバレていた私の想い
どんな顔をしてドンへに会えばいいのか考えていた
「いいですか？ヌナ！僕に遠慮するのは辞めてくださいね！」
「えっ？」
「ヌナが思ってるように動けばいい！周りがどうとか、ペンに申し訳ないとか、そういうの一切抜
きにして…ヌナはヌナで、ヌナの代わりはいないんですから」
そう言ってミラー越しに笑顔を見せてくれたぎゅったん。
(私が思ってるように…かぁ)
それは凄く難しくて、でも凄く簡単な答えを求められてる気がした
初めてドンへに出会った公園のベンチに腰掛ける
ここはあの頃と何一つ変わっていない
ドンへと出会ってからいろんな事が起きた
でも、それはどれもドンへやみんながいつも同じ笑顔で
私を見守ってくれていたから
どんな問題も解決できたんだと思う
そして一番に感謝しないといけないのはハルだ
ドンへに会わせてくれたのもハル
一番近くで私を笑顔にさせてくれるのもハルだ
(ハルのお母さんになれて本当に良かった)
改めてそう心から思う
「ドンへヒョンがアッパならいいのになぁ〜」
テレビに映るドンへを見つめて
ハルがポツリと呟いた言葉
お父さんと一緒に歩いているお友達をみると少し寂しそうな目をする事
私は知っていた。
男の子にとって父親という存在が大切な事も…
いつか父親が必要になる。
その相手がドンへだったら私だって凄く嬉しい
でも、現実はそういうわけにはいかない
それくらいわかっている…。
でも、今日だけは少し甘い時間を過ごしてもいいかな
明日になったらいつも通りの私に戻るから…。
そう自分に言い聞かせていたら
足音が近づいてきた
その方向へ視線を向けると
大きな花束を持ったドンへが立っていた
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作者名：ゆう | 作成日時：2015年11月25日 23時
