オンマの言葉 ページ2
「荷物重かったわね？さぁ、中に入ってご飯の準備しましょ！みんな帰ってきちゃうわ！」
私に歩み寄ろうとしてくれたオンマの前に
あの人が立ちはだかる
握られている手首にあの人の手がドンドン食い込んでいくほど力が強くなっていった。
「あんた、こいつのなんなわけ？うちの子供どこに隠したんですか？
早く連れて来ないと警察よびますよ！」
「目上の人に対しての言葉づかいじゃないわね？
こんな道路の真ん前で血相変えて喚き散らしてる
あなたの方が警察に通報されるわよ！」
「あ〜っもうウザい！」
あの人が手をあげようとした瞬間
キーッ
バタン
振り返るとそこにはみんなが居て
「ヤーッ！！そいつの手を離せ！！」
後ろ側からヒチョルオッパに引かれた手
その手にドンへとぎゅったんの手が重なる
いとも簡単にあの人の手から救出されて
３人の後ろに隠されてしまった
「あらっ、あなたたちずいぶん早かったのね！」
ニコニコ顔のオンマ
「オンマ、怪我はないですか？」
トゥギオッパがオンマに歩み寄る
「大丈夫よ！無傷だわ！」
「Aと子供を早く返せよ！！」
またも大声で騒ぎだす
「近所迷惑だわ！静かになさい！！Aとはどんな関係か知りたかったのよね？
あの子は私の娘なの！うちの息子のお嫁さんよ！！
うちの娘と孫になんの用なの？いいかげんにしないと警察に突き出すわよ！」
オンマの言葉に少し驚いたけど、そこまでして私を守ってくれようとしているんだ
って思ったらこんな状況なのに単純に凄く嬉しかった
オンマがあの人をキッと睨む
ちょっとひるんだように見えたけど
そんな事で引くような相手ではない事は重々承知だ。
あの人のコートの裏から何か光るものが見えた
まさかっ？！
って思って体が動いたのと彼が取り出したそれを振り上げた瞬間がほぼ同時だった
そこからの記憶はない…
ただ、皆が私を呼ぶ声だけは聞こえた
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作者名：ゆう | 作成日時：2015年11月25日 23時
