陽の沈む夜に。～シスの復讐～【オビワン】 (ページ35)

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パドメと呼んで。ページ35

それから船に戻ると、眉間にしわを寄せて目を閉じたままのパドメにAは寄り添った。
その間にもいろいろな後悔や悲しみが押し寄せては、パドメの手を握って涙をこらえる。
オビワンは3POと運転を交代しながら、オーガナ達と合流するまでこの現実への悲しみをAと分かち合った。

オーガナ達と合流し最高速で向かった医療施設では、すぐにパドメの検査が行われた。
そして、その検査の結果と処置法に対し、Aは驚いてドロイドの言葉を反復した。

「陣痛を起こす？」

「はい。医学的には完全な健康体です。ただ説明できないのですが、助けることはできません。」

「どういうこと？死ぬってことなの？」

「理由が分からないのです。彼女は生きる意志を失っています。赤ん坊たちを救うなら早急に措置を行う必要があります。」

「赤ん坊たち？」

オビワンはそう聞き返す。

「双子を身ごもっているのです。」

その回答を聞いてオビワンは、驚いたようにAの顔を見る。
そしてその父親に感付き、双子であることまで知っていたAはそんなオビワンから目をそらした。

……陣痛促進剤が投与され、パドメはAの手を握って痛みをしのぐ。
最初は緩やかで、手を握っているだけであったものが、今となっては握る力は強く時折Aは手の痛みに顔を歪めた。
それでも、Aにとって任務外での一番の友人である彼女に寄り添い続け、必死に声をかけた。

「議員、議員？順調のようですよ。頑張ってください。」

「A、……A。」

「どうされました？」

「パドメと、呼んで。名前で。…お願い。」

「パドメ。貴方は必ず生きるのです。子供たちとこれからも生きていくのですよ。」

Aは彼女の返答を聞きたかったが、次の陣痛の波が押し寄せる。
全く出産に対しての知識はないが、陣痛の間隔がほぼ0になってきた今、生まれるのが近いのはなんとなくわかった。
痛みに息を忘れるパドメをドロイドがなだめ、それと共に溢れる彼女の涙をAは拭う。
そして強くいきんだその時、赤ん坊が産声を上げた。
ドロイドからAが赤ん坊を受け取り、パドメに顔を見せる。

「あぁ、ルーク。」

そしてすぐに襲う次の陣痛になんどかいきむと、続けてもう一人の赤ん坊が生まれた。

「レイア。」

2人の赤ん坊を抱き抱えパドメに見せるようにしていると、オビワンも部屋に入って来、パドメは愛おしい子供たちにこの上ない笑顔を見せる。