最後のピース。 ページ30
聖堂の訳もあり無数ものクローンが待ち受けていたのだが、グラウンドマスターと評議員になれるほどの実力のあるジェダイが2人居れば、大体のクローンを倒すことが出来た。
子供たちまでが倒され、その死体は「セイバーで」切られている事実に、一行の気分は足を進めるにつれて重くなる。
そしててシグナルを出す部屋へとたどり着くと、コードを修正し、次にオビワンの目に映ったのは保安記録であった。
「お待ちを、マスター。調べなればならないことがあります。」
「保安記録など調べても苦痛を味わうだけじゃぞ。」
「真実を知る必要があるんです、マスター。」
セイバーで切られていた子供たち。
おのずとAの中で、最後のピースは埋まりつつあった。
ヨーダの抑止をきかず再生した保安記録には、彼女たちの愛したアナキンが無数ものジェダイを大人子供関係なく殺し、クローンを携えて歩く姿は映る。
そして極めつけには
「よくやった、我が新しき弟子よ。さあヴェイダー卿。帝国に平和をもたらしに行くがよい。」
オビワンが止めるよりも先にAが停止を押す。
「これ以上見ていられません。」
「シスは滅ぼさねばならん。」
「私が皇帝を倒しに行きます。私にはアナキンは殺せません。」
オビワンは動揺が隠せないまま、ヨーダに皇帝の相手を申し出る。
どうにかAと2人で戦えば勝てるはず。そう思ったのだろう。
「おぬし、仮にお主たち二人で戦ったとしても力不足じゃ、シディアス卿と戦うにはな。」
「アナキンは弟同然です。私にはできません。」
「ダークサイドにゆがめられたのじゃ、若きスカイウォーカーはな。おぬしの鍛えた少年はもういない。」
Aの頭に、アナキンの無邪気な笑顔が駆け巡る。もうそんな少年はいないのだ。
皇帝を倒しに向かうヨーダの背中を見守りながら、Aはしたくもない決心をする。
「私達が責任を取ろう。」
「にしてもどこを探すんだ。」
これ以上ない悲しい顔をしたAは、何も言わずオビワンを連れて当てのある場所へと向かった。
「彼と最後に会ったのはいつだ？」
「昨日よ。」
「今どこにいるのか知っているね？」
「いいえ。」
パドメの家である。質問をするオビワンに冷たくあしらうパドメ。
2人をAはじっと見守ることしかできない。
「パドメ、君の助けが必要なんだ。彼自身の重大な危険に直面しているんだよ。アナキンはダークサイドに転向した。」
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作者名：こにし りおん | 作成日時：2021年6月23日 11時
