ジェダイの過ち。 ページ7
「アソーカ…!」
評議室で待っていた評議員の一部(A含む)の元に、アソーカが戻ってきた途端、Aはアソーカにしがみつくように抱き着く。
しかしいつも腕を絡めてくれるアソーカは、困ったようにAの胸を押した。
「本当に申し訳なかった。お前を、苦しめた。」
「評議会を代表して、心から詫びたい。」
アナキンの言葉に続いてプロが話す。
「自分の無実を証明すべく君が見せた行動は実に素晴らしかった。ジェダイとして十分な資質だ。」
「またとない試練だったが良く乗り越えた。フォースはたまに気まぐれな働きを見せる。この事件によって君がよりレベルの高いジェダイであることが証明された。」
「ジェダイオーダーに再び迎え入れたい。」
プロの話した言葉まで安堵の表情を浮かべていたアソーカもAも、どんどん表情を曇らせる。オビワンも又表情に出さずとも疑問を抱え、髭を触っていた。
「戻ってくれないか。」
誰よりも彼女を大声出して守り続けたアナキンは、アソーカに一番言いたかった言葉を放つ。
「お願いだ。またやり直そう。」
そう言ってアソーカに、アナキンはパダワンの飾りを差し出す。
しかしアソーカの曇り困らせた表情からAは悲しそうに首を横に振る。彼女の気持ちが痛いほどわかるからだ。
「(やめて。)」
‣
「(お願い。)」
‣
「(アソーカ。)」
‣
「(ねぇ…。)」
‣
「(お願い…!)」
そして差し出された飾りは、アナキンの手にまた収められ、彼の瞳は大きく見開いた。
「悪いけどマスター。戻る気はありません。」
そして彼女は死ぬまで忘れることはないだろう。
愛しい妹のように思っていた彼女が一人背中を向けてオーダーを去っていくところを。
そう。Aが当初考えた最悪の結末を迎えたのだった。
「待って、アソーカ…。」
Aの頬にはいくつもの涙が流れる。
アソーカを追っていくアナキン。彼と一緒に追いかけようとAの足が動くが、両隣に居たオビワンとプロによってそれは叶わない。
オビワンもまた追いかけようとした一人であったが、Aを見て自分が止めるべきだと思ったのだ。
「離して…!」
そして2人の止める手を振りほどこうとするが、それは二人の力によって叶わない。
「アソーカぁぁぁあああああああ!!」
Aのこえは虚しく、アソーカの耳に届くことはない。
座り込んで泣き叫ぶAに、皆目を背けることしかできなかった。
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作者名:こにし りおん | 作成日時:2021年4月11日 4時