暗黒街。 ページ1
「アナキン。」
「A?」
「A?!」
あれから少しして、どうしてもアソーカの力になりたかったAは部屋を飛び出して走り出していた。
行先はアソーカが捕まった暗黒街。
頑固おじさんオビワンはなんだかんだ甘い。
「防衛線の報告を忘れていたな。私は報告に行かなければならないからマスターアイヴァーンの行方は知らない。」なんて言いながらAが何をするか言う前に部屋から去ってしまった。
コムリンクでアナキンにつなぐと、一緒にパドメの声が聞こえてきた。
「議員、どうして?」
「アソーカの弁護人になったのです。」
「あぁ…ありがとうございます。」
「それでどうしたのです?」
アナキンが話を進める。
「アソーカはヴェントレスと一緒に居たって報告してたでしょ?会って話すしかないと思って。」
「じゃあ地下街に?」
「うん。今暗黒街行の送迎船に乗るところ。アソーカが発見された座標まで行ってみるつもり。」
「じゃあ僕も…。」
「いいや、アナキン。貴方はアソーカのそばにいてあげて。何かあればすぐに連絡するから。」
「…ありがとうございますマスター。」
アナキンとの通信を切ると、Aは送迎船に乗る。
あまりきれいと言えないその船は人が多く、Aは暗黒街に行くにあたってあまり顔を見られないようジェダイローブのフードを深く被る。
ジェダイの服だとバレないよう、前も隠しつつ窓の外を見ると徐々に見えてきた暗黒街にあまりいい気持はしなかった。
そしてここでアソーカは自分が無実だと証明できるよう頑張っていたと思うと、さらに気持ちは沈んだ。
…しばらくして到着すると、降りた瞬間に臭う異臭に顔を歪めながらアソーカが発見されたと報告されている廃工場へと向かう。
そこから目を閉じてフォースに身をゆだねれば、フォースが直観に変えてヴェントレスの居場所をなんとなくの方向へ導いてくれた。
そしてなんとなーくの直感をたどると、昔より薄れたヴェントレスの気配を感じる。
20分ほど探し回ってようやく見つけた彼女の背中は、なんとなく昔のような覇気がなくなり、どこか寂しそうにしていた。
Aこそ、ヴェントレスを宇宙一嫌っているが、今は攻撃する気にはなれずにヴェントレスの5メートル後ろからじっと見つめた。
「私に何か用かい?不細工。」
「今は喧嘩中止。何が聞きたいかはわかるでしょう。」
22人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:こにし りおん | 作成日時:2021年4月11日 4時