過去の航海。 ページ35
「貴方から強い不安を感じます。守りは万全のはず。」
「分かってる。」
「ではどうして。」
「ちょっと訳ありでな。」
「彼女の事を"ご存知"で?」
「知り合いだよ。……昔の事だ。」
この会話でアナキンの表情がガラッと変わる。このオビワンとAの喧嘩の理由が明確になったからだ。
〜〜〜
「はぁ…。」
一方A。
部屋に閉じこもったものの、これではまた任務放棄になってしまう。
気が進まないが、マスターアイヴァーンとして生きていくと心に決めたからには、Aは自分なりに船の警護をすることにした。
気の重いまま、船の中を一つ一つ部屋を開けて異常がないかチェックしていく。
そして一つ下の階に降りて部屋に入ろうとすると、"彼ら"の話声が聞こえてきた。
「そこがだよ。ジェダイとしての義務が私を困らせた。」
「義務ですか。」
どうやら彼ら、オビワンとアナキンはサティーンの話をしている様だった。
聞いてはいけないとわかっていながらも、Aは壁に沿って聞き耳を立てた。
「…でも、彼女が好きだったんでしょう?とどまることだって……。」
「あり得たかもしれない。だがジェダイの掟がある。」
「分かっています。マスターヨーダの言うジェダイは情に縛られてはならない。」
「あぁ、しかし心の痛みをどう癒すかは教えてくれなかった。」
オビワンから出るとは思わなかった言葉の数々に、落ち着きかけていたAの体は震える。
息すら吸えずに、その先を聞くのが怖くてAはその場を後にした。
しかし、彼らの会話は続く。
「でもあなたは今Aを愛してる。」
「いいやアナキン。違うと何度言えば気が済むんだ。」
「分かってますよ流石に。貴方の公私混同って言葉でもう確信に変わりましたよ。」
「いいや別の理由だ。」
「じゃあなんです?」
「言えない。」
いつも詰められる側のアナキンがオビワンに詰める。
普段パドメに公私混同している自分だからこそ、Aへの共感が強かったのだ。
「これじゃあAが可哀想です。」
「可哀想?」
「数か月一人でいて、やっと会えた貴方と喧嘩した。」
「どういう……。」
「そのまんまの意味ですよ。」
恋人どうしてあることを認めない限り噛み合わないこの話に、2人は口を紡ぐ。
すると、その静寂の中にアナキンのビーコンが鳴った。
「アナキン?R2の様子がおかしいの。レックスの部下2人と連絡も取れてない。」
「分かりましたマスター。すぐ行きます。」
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monika0419otome(プロフ) - 励みになれば幸いです。寒いじきが多いので体に気をつけて更新を楽しみして待っています (2020年11月11日 18時) (レス) id: a6785adcd3 (このIDを非表示/違反報告)
こにしりおん(プロフ) - monika0419otomeさん» いつもコメントありがとうございます。とても励みになっています!! (2020年10月24日 1時) (レス) id: b705799650 (このIDを非表示/違反報告)
monika0419otome - 楽しく読まてもらいました更新を楽しみにしています 体調無理のないように頑張って下さい (2020年10月15日 21時) (レス) id: 79369123f4 (このIDを非表示/違反報告)
小西 利音(プロフ) - クロセさん» わーーーん!こんな早くに見てくださってありがとうございます!!マジで泣きそうなくらい嬉しいです。まだまだ体調が安定しませんが、オビワン愛で乗り越えます!元気が出ました。コメントありがとうございました。 (2020年10月12日 4時) (レス) id: 0660aea05f (このIDを非表示/違反報告)
クロセ(プロフ) - 待ってました!!続きが見れて嬉しいです!続きも楽しみにしてますので、ご自愛くださいませ! (2020年10月12日 4時) (レス) id: c80b4d78c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こにし りおん | 作成日時:2020年6月28日 2時