怒り。 ページ33
ハイパースペース独特の星々が流れていく光景をぼんやりと脱力したまま眺める。
思い出すことはオビワンの事ばかりで。
彼以外に触るのはAだけだと思っていた彼の髭や頬を、いとも簡単に触るサティーンに腹しか立たない。
これがジェダイが恋愛を禁止する理由だとわかっている。しかし、この感情を止めることはできなかった。
30分程ハイパースペースを飛んでいると、アナキンから連絡が入る。
「アナキン?」
「オビワンから連絡がありました。ものすごくピンチらしいです。」
「え?」
「相当やばい奴みたいなので今から戻ってこれますか?」
「分かった。R10マンダロアへ最短ルートで戻って。」
軍用ハイパースペースは、こういう時便利である。
すぐに折り返してマンダロアへ向かうと、アナキンと通信を切った。
===
30分。どぎまぎしながら到着したマンダロア。
オビワンのシグナルが出ている方へと向かうと、サティーンとボロボロになって歩いているオビワンを見つけた。
「オビワン。」
白い服を真っ黒に汚してサティーンと支え合っているオビワンに、Aは思わず名前を呼んで駆け寄る。
「オビワン!」
時を同じくして、彼らの愛弟子アナキンも到着したようだ。
アナキンはレックス達を率いて安全確保にサティーンの護送を始める。
「オビワン、ごめん私が離れたばっかりに…。」
「あぁ、言い訳は聞きたくない。」
こんなことにと言葉をつづけようとするが、オビワンの怒りを含ませた声でかき消される。
おそらくAの嫉妬を悟った、もしくはサティーンに入れ知恵されたのだろう。
こんな状態である元師匠の2人に、アナキンは目を真ん丸をして驚くのと共にAの様子の違う理由を察した。
「落ち着いて、2人とも。まずは任務が優先だ。」
アナキンが知る限り、初めて喧嘩をした2人。
どこまで仲がいいのかと呆れるほどに仲のいい2人がこのようにそっぽを向いている。しかもオビワンの怒りの矛先が自分ではなくAということにアナキンでさえどうしたら良いかわからなくなった。
怒りを露わに船に乗るオビワンの背中をアナキンとAが見送る。
いつも気丈で、悲しそうにするAを始めてみたアナキンは、背中を摩って声をかけた。
「どうしたんですか2人とも。」
「ごめんねアナキン。巻き込んで……。私この数か月でおかしくなっちゃったみたい。」
「そんなマスター…。そんな顔をするなんて貴女らしくない。」
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monika0419otome(プロフ) - 励みになれば幸いです。寒いじきが多いので体に気をつけて更新を楽しみして待っています (2020年11月11日 18時) (レス) id: a6785adcd3 (このIDを非表示/違反報告)
こにしりおん(プロフ) - monika0419otomeさん» いつもコメントありがとうございます。とても励みになっています!! (2020年10月24日 1時) (レス) id: b705799650 (このIDを非表示/違反報告)
monika0419otome - 楽しく読まてもらいました更新を楽しみにしています 体調無理のないように頑張って下さい (2020年10月15日 21時) (レス) id: 79369123f4 (このIDを非表示/違反報告)
小西 利音(プロフ) - クロセさん» わーーーん!こんな早くに見てくださってありがとうございます!!マジで泣きそうなくらい嬉しいです。まだまだ体調が安定しませんが、オビワン愛で乗り越えます!元気が出ました。コメントありがとうございました。 (2020年10月12日 4時) (レス) id: 0660aea05f (このIDを非表示/違反報告)
クロセ(プロフ) - 待ってました!!続きが見れて嬉しいです!続きも楽しみにしてますので、ご自愛くださいませ! (2020年10月12日 4時) (レス) id: c80b4d78c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こにし りおん | 作成日時:2020年6月28日 2時