ドミノ分隊。 ページ22
そう言って笑うファイヴスに背を向けると、Aは自分の部屋へと足を進める。
少し自信がついたような彼は、Aが見えなくなるまで、ずっと見送っていた。
すっかりと将軍としての風格が出てきたAは、次の日もまたその次の日も、訓練に励みながらクローン達へのアドバイスを始めた。
ここで鍛錬しているのは自分だけではないと、考えを改め直したのだ。
焦っていても仕方がない。自分なりに色々行動してみようと思った。
自分で考えさせながらも、正しい考えへ導く。教えることをほぼオビワンに任せてきたAだったが、どうにか分かりやすいようクローン達に戦術を施した。
自分を鍛えながらも、他を鍛える。目が回りそうなくらい忙しい毎日に、焦りを忘れてAは楽しめるようになってきた。
それにドミノ分隊とは特に仲が良くなり、食事を共にしたり、クローン達のベッドなどを見せてもらったこともあった。
そんなある日の事。
「私、ずーっと気になってることがあるんだけど。」
「なんですか?将軍。」
「そのヘルメットってどうなってるの?」
「あぁ、これですか?」
ドミノ分隊に所属している、ファイヴスの他のエコーやカタップ達もヘルメットをとる。
「かぶりますか?」
「え、いいの?」
ファイヴスに渡されて被ったヘルメット。毎日着用しているだけあって汗のにおいが漂ってきたが、気にせずに周囲を見渡した。
中から見た視点は、少し暗く、その分味方を強調表示してある。汚染された環境でも呼吸可能な空気を供給する濾過システムや、内蔵偏光レンズ、会話をより分かりやすくする表示装置、知識として走っていたがこのような見え方であるのは初めてしった。
「面白い。私もこれほしい。」
「本当に言ってますかそれ。」
「だって、偏光レンズ凄いし、表示も出るじゃない。」
ヘルメットを返すと、Aはぼさぼさになった髪を整える。
「俺は、ジェダイのローブのほうがかっこいいです。」
「これ?きてみる?って言いたいところだけど私サイズだから入らないね。」
確かにAも、ジェダイローブは布に重厚感があり、しかもひらひらと広がるようにはためくので気に入っている。
クローン達もそんな憧れがあるのだと、Aは面白く感じた。
「いつか、私の友達の着せてあげるさ。無事卒業出来たらの話だけど。」
「将軍、俺達だって卒業したいですよ。」
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monika0419otome(プロフ) - 励みになれば幸いです。寒いじきが多いので体に気をつけて更新を楽しみして待っています (2020年11月11日 18時) (レス) id: a6785adcd3 (このIDを非表示/違反報告)
こにしりおん(プロフ) - monika0419otomeさん» いつもコメントありがとうございます。とても励みになっています!! (2020年10月24日 1時) (レス) id: b705799650 (このIDを非表示/違反報告)
monika0419otome - 楽しく読まてもらいました更新を楽しみにしています 体調無理のないように頑張って下さい (2020年10月15日 21時) (レス) id: 79369123f4 (このIDを非表示/違反報告)
小西 利音(プロフ) - クロセさん» わーーーん!こんな早くに見てくださってありがとうございます!!マジで泣きそうなくらい嬉しいです。まだまだ体調が安定しませんが、オビワン愛で乗り越えます!元気が出ました。コメントありがとうございました。 (2020年10月12日 4時) (レス) id: 0660aea05f (このIDを非表示/違反報告)
クロセ(プロフ) - 待ってました!!続きが見れて嬉しいです!続きも楽しみにしてますので、ご自愛くださいませ! (2020年10月12日 4時) (レス) id: c80b4d78c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こにし りおん | 作成日時:2020年6月28日 2時