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〆.
「ご、ごめんなさい、」
伸ばした手を拒むように、さらに壁際へ下がる。
「そと、そとでねるから。これからは、そうするから…」
「ちゃうやろ?A。寝るのは俺と同じベッド。約束したやん」
「…………ごめんなさい」
多分何を言っても、俺が真剣な顔をしている限りAは謝り続ける。
「ええよ、大丈夫。慣れてへんもんな。もう朝ご飯しよか?何食べたいかな〜」
「………………………」
自分の意見を言うことすら許されてへんかったんかもしらん。
「俺の好きなもんでええかな?食べられへんものある?」
「なんでも………」
「よし」
何しよ!と意気込んでキッチンへ立ったものの、
Aの言葉は別の意味で信用ならん。
もしかしたら好き嫌いは許されず、アレルギーも無視されてきたんかも……。
「たまご食べて、気分悪くなったことある?」
「………ううん」
「パンは?」
「大丈夫」
「おっけ」
朝飯は和食もええけど、たまには洋食かて食べたくなるんや。
不安そうにちらちら俺の様子をうかがうAを、
可愛ええとぽやぽや思いつつ、
一人暮らしで嫌でもできるようになった料理を進める。
「ええ匂いやろ?」
「…………うんっ」
心からの笑顔までの道のりが遠くても、
表情が緩めば俺は幸せや。
「昨日と同じ椅子に座ってな?」
「うん、」
あ。ちょっと寝癖ついとる。
後でなおすか………そのまんまでもええかも。
Aが俺に依存してくれたら、
一生こんな生活できるんかな……。
「お待たせ。ほんならいただきます」
「いただきます……」
「口開けて」
素直に言うこと聞くねんもん、可愛すぎやろ。
再会して一日やのに、こんなにハマってまうなんて。
「美味しい」
「ほんま?」
一生飯食わしたろ思うもん。
料理アプリ取ろっかな。
「A、俺のこと好き?」
「…………私なんかに好かれたくないでしょ?」
「好かれたいで?俺、Aのこと好きやもん」
Aと純粋に両想いになるんはまだまだ先かもな。
気長に待つで。
永遠に……………な?
〆.
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ふーか。(プロフ) - ほんまですか。ありがとうございましす!! (2020年4月17日 13時) (レス) id: 2aef7cd3bd (このIDを非表示/違反報告)
はゆな(プロフ) - ふーか。さん» コメントありがとうございます!まさかそんなリクエストを頂けるとは……感激です。提案していただいた中のいくつかは長編も考えられそうなので、検討させて頂きます! (2020年4月17日 1時) (レス) id: 0477dc60f8 (このIDを非表示/違反報告)
ふーか。(プロフ) - とても良かったです。 わがまま言っていいですか?「時が止まった」、「重岡大毅の好きな人」、「政略結婚する話」、「ストーキングラブ」、「キスマークをつけたのは誰だ」、「相合い傘」、「ジュース」を長編にしてください。わがままですいません。お願いします。 (2020年4月15日 14時) (レス) id: 2aef7cd3bd (このIDを非表示/違反報告)
来夢 - シンプルにルナって自分のお姉ちゃんの名前だったからびっくりしました笑 (2019年11月4日 23時) (レス) id: 7e43efbf14 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はゆな | 作成日時:2019年10月4日 18時