5話 , ページ5
「ここで何をしているんです?」
そう言われ肩が飛び跳ねた。
( 気が付かなかった…?! )
いつもなら簡単に分かる気配が感じ取れなかった。
「殺せんせー…でしたか、超生物。」
そう告げ、くすりと微笑むと、殺せんせーは言った。
「何故かスマホが三台ありましたが、どうしてですか?」
と。触手をうねうねさせながら。
「貴方には関係ありません。」
と言って、場所を教えろ、と脅す。
と、背後から声が聞こえた。
「ねえ、おにーさん。国で殺せないのに、おにーさん1人で殺せんの?」
赤羽業。
声を聞いた途端分かった。
安室は振り向き、青年の微笑みを見せ、言った。
「僕は暗殺者ではないから難しいかも。」
でも、彼女となら出来るよ。
と、付け足して。
表情はへらりとしているのに言葉の重みはずっしりとあり、E組にのしかかった。
「でも、おにーさん、さっきまで何かに反応してたでしょ?顔色悪かったよ。」
しくじった。
子供に気付かれるとは…そんなことを考えながらも安室は言う。
大丈夫だと、見間違いだと。
「おい。」
烏間が声をかける。
無意識なのか意識的なのかはハッキリしないが、生徒を庇うように生徒達の前に立っていた。
「なんでしょう?」
バーボンは冷徹に微笑み、返事をする。
「暗殺者でもないのにあの動きはなんだ?」
不思議に思ったのだろう。
バーボンは答える。
「いつも命の危機が隣り合わせなので。」
「なら、また生徒を巻き込むのか?」
そいつを殺すために。
巻き込むな、と目線は訴えていた。
「僕はボスじゃないのでわかりませんよ。」
そう言っている間に殺せんせーが隠し持っていた自身のスマホを奪う。
「あ、ラムですか?今…え??」
電話を即かけ、報告をしようとしたが、ラムの口からは自分で考えていなかった言葉が出てくる。
『バーボン、椚丘中の先生をしながら超生物を観察すると聞きました。頑張ってくださいね。』
その言葉を言い終えたかと思うとラムの方から切られた。
「…僕、ここの先生になるらしいです。」
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作者名:澪 | 作成日時:2022年10月16日 16時