失恋して山に登る話 (ページ3)

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あの付き合ったんだ宣言から数日後。フロイドと監督生さん達は見せびらかすようにところ構わずイチャついている。

「小エビちゃんどぉ？おいし？」

「は、はい美味しいです、けど、
ちょっっと距離近すぎませんか////？
今食堂ですし、み、見られてますよ！」

「あは、ちがうよぉ？見られてんじゃなくて、見せつけてんの。オレのだって」

「・・っ////」

「赤くなって小エビちゃんちょー可愛い♡」

・・・この会話を聞いてわかるだろう。胸焼けしそうなくらい甘ったるい会話である。
今監督生さんはフロイドの膝に乗りながらあーんで食べあいっこしている。見せられているこっちの気持ちも考えて欲しいものだ。何が悲しくて片割れと好きなの人のイチャイチャを見させられないといけないのだろうか。
フロイドは監督生さんと付き合ってから別で昼食を食べるようになったのでまだ席は離れているのが唯一の救いだった。

「・・・大丈夫ですか？」

「？何がですか？」

「あなた監督生さんのことが好きだったんでしょう？目の前であんなイチャつかれて大丈夫かと聞いているんですよ」

「！？どうしてそれを・・？」

「・・・結構顔に出てましたよ。あの二人を見つめるときの目が極寒な冬の海を連想させますね。」

アズールが2人を眺めている時突然言ってきた。驚いた、バレてないと思っていた。そんなに顔に出ていたなんて・・・。
というか、アズールが心配なんて、明日は竜巻でも起きるのでは？

「・・・何か失礼な勘違いをしている気がするから訂正するが、僕はお前が倒れたりしたらラウンジが大変な事になるから言っているんだ。最近フロイドが抜ける頻度が監督生さんがらみでさらに増えたので。」

「確かに、今僕が倒れたら確実にラウンジが回りませんね。」

「そうですよ。最近上の空のような事も多いですし、ラウンジのためにも今度山でも登りに行ったらどうです？山を……愛する会…でしたっけ？その活動でもやったら、少しは気持ちも落ち着くんじゃないですか？」

「・・・そうですね。少し最近疲れが溜まっているようですし。」

こうして僕は、山に登ることにした。