Episode 34 ページ37
信じられなかった。
スコッチさんと会ったのは、あの晩のただ一度きり。それでも、あの晩だけでスコッチさんは黒では無いと本能的に感じ取っていた。
あの人は、人を騙すことなんてできない。ましてや殺すだなんて。
赤井さんの調査結果を聞いて納得した。
彼は公安の人間だった。
私は納得し、そして安心した。彼が白でよかったと。
だから、信じられなかった。
赤井さんが己の手で彼を殺したと言ったことが。
『赤井さん、なぜ彼を殺したのですか。貴方は分かっていたはずです、彼は公安の人間、属する組織は違えど彼だって奴らに噛み付こうとしている犬です。なぜ、なぜ殺したのですか!!』
私は、感情的になっていた。
だからこそ、この時は赤井さんのついた嘘を見抜くことができなかった。
「俺だって最初から殺そうとしたわけじゃない。会話の途中で敵が来た。
スコッチが公安の犬だとバレてしまった以上、あのまま彼を生かしておくわけにはいかなかったのさ。」
許せなかった。赤井さんほどの実力者がスコッチさんを殺すしかなかったというのが許せなかった。
それからのことはよく覚えていない。
でも、赤井さんに酷いことを言ってしまった。
たった1度しか会っていないはずのスコッチさんのことで何故あんなにも心が揺さぶられたのか。
それはきっと、公安の犬だとバレたスコッチさんに自分を重ねたからだろう。
私は、もし自分がFBIからのスパイであることが組織にバレたら赤井さんは私も簡単に殺してしまうのではないかと考えた。
結局私は、人の心配なんてしてない。自分のことしか考えてない。
赤井さんがいなくなったあとのリビングで1人、私はそんな自分に嫌気が差してヤケになって酒をあおった。
その酒は、偶然にもその日赤井秀一によって、組織から消された男と同じ名の酒だった。
ラッキーアイテム
ボイスレコチェンジャー
ラッキードリンク
リースリング
131人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あいか(プロフ) - はじめまして、あいかともうします!この小説の続きが気になるので早めの更新頑張ってください!! (2017年7月30日 16時) (レス) id: 70607cf5f4 (このIDを非表示/違反報告)
のんたん(プロフ) - ゆらさん» コメントありがとうございます!頑張って更新します! (2017年6月8日 19時) (レス) id: 8bc9afdc49 (このIDを非表示/違反報告)
ゆら - すごく面白いです!続き楽しみにしてます♪ (2017年6月8日 12時) (レス) id: 536a82edec (このIDを非表示/違反報告)
のんたん(プロフ) - 紅蓮さん» ありがとうございます!コメントいただけるだけで執筆に俄然やる気が出ます!!頑張ります!! (2017年3月7日 0時) (レス) id: cf32376341 (このIDを非表示/違反報告)
紅蓮(プロフ) - 続き楽しみに待ってますm(。≧Д≦。)m (2017年3月7日 0時) (レス) id: 219aa5a094 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:のんたん | 作者ホームページ:
作成日時:2017年2月19日 11時