case.10 ページ11
流石、6人抜きしただけのことはある。
隙のない構え方、むやみに攻撃してくる訳でもなくきちんと私の動きを見ているし、攻撃だって鋭い。
とりあえず、全部受け流してはみるけど…
「なんだ、あの人…」
「あの伊達の攻撃を受けて平然としてる…」
…荒い。
まだ荒いのだ、伊達くんの逮捕術は。
"絶対に負けない"という信念が先走ってしまっている。
完璧な逮捕術では、隙なんて一瞬たりとも許されないのだ。
そして、次の瞬間。
ダァン!!
「…は」
伊達くんは、私に投げられて仰向きに横たわっていた。
「1本!勝者、柳!!」
わっ、とギャラリーから歓声が上がる。
息をついて面を取り、伊達くんに手を伸ばす。
『お疲れ様、伊達くん』
「…はは、すげぇな柳」
伊達くんはその手を取って立ち上がった。
「"誰よりも強くなければ、正義は遂行できない"…」
『…』
「俺もまだまだって訳だ」
確か伊達くんは、警察官だったお父さんの辞職を引きずってるんだったよね…
悔しさが滲み出る笑顔に、思わず頭を撫でた。
『…伊達くんはさ、気持ちが先走っちゃってるんだよ。
正義を遂行するために1番大切なことは、強さじゃない。』
「なら何なんだ、1番大切なことって」
『ふふ、それを貴方たち5人に教えるのが私の役目なんじゃないの?』
「…ふっ、そうだったな 」
この時の伊達くんの笑顔は、きっと私、一生忘れないと思う。
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ゆう(プロフ) - 警察学校組かっこよくて主人公ちゃんも素敵でキュンキュンしました。更新楽しみにしてます! (2022年10月10日 9時) (レス) @page15 id: d56bd6cb16 (このIDを非表示/違反報告)
ハキ - 主人公こんな感じでは無いでしょうか?書いて見ました。 (2022年10月5日 19時) (レス) id: e7766cc2a3 (このIDを非表示/違反報告)
ハキ - https://picrew.me/shareImg/org/202210/1649970_h8CiFBOK.png (2022年10月5日 19時) (レス) id: e7766cc2a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ラピスラズリ | 作成日時:2022年9月24日 23時