第８話 街あるき ページ9
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それからご飯を食べ終え、コナン君と外に出た時。
何の因果か、出口でばったりと先日映画に誘ってくれた先輩と鉢合わせしてしまった。
「あれ、楠木？」と私の方に先に気がついた先輩が声をかけてくる。そういえば断った映画の日は今日だったな…と若干気まずく思いながらも私は先輩と向き合った。
「こんなとこで何してんの？ 今一人か？」
「え、あ…いや…」
「ねえボクがいるの、見えないの？ オニーサン」
ズイッと私と先輩の間に出てきたコナン君は、先輩を見上げてなんだか不機嫌な顔をしている。慌てて後ろに来るように言ったが、コナン君は全く動かず先輩と目を合わせている。
先輩はコナン君を見て、少し驚いた顔を見せ、それからしゃがみこんでコナン君に話しかけた。
「ようボウズ。楠木の弟か？」
その言葉に違うと首を振ったコナン君に「そうか」と言い、コナン君の肩をポンと一つ叩いて、先輩は立ち上がる。
「二人だけなら、いい所案内するぜ。子どもも遊べる場所だ」
最近できたデパートの屋上に、子どもの遊び場がついた過ごしやすい場所があるのだと言う。確かに良いかもしれないと思い、私は「どうしよっか」とコナン君に問いかけた。
しかし彼は「行かない」ときっぱり言い切った。
「ねー…A姉ちゃん、そろそろ行こうよー」
私の手をぎゅっと握って、コナン君が見上げてくる。先輩は背も大きいし、見知らぬ人といるのがきっと辛いのだろう。
私は頷き、先輩に「すいません」と言って誘いを断った。
「じゃあねお兄さん」
「あ…あぁ」
コナン君は振り向いて、先輩に手を振った。私も軽く頭を下げて、それからまたコナン君と歩き出した。
次はどこに行こうか。まだ時間は早いがそろそろ帰ろうか。と頭で考えつつ暫く歩いたところで、コナン君が不意に問いかけてきた。
「ねえ、A姉ちゃん。さっきの人が、レストランで言ってたかっこいい野球部の先輩？」
「え？ …どうしてそう思うの？」
「だって、あの人野球部の投手でしょ？ 髪型は最近まで坊主だったみたいだし、高身長で、下半身に筋肉があって上半身は細身だから…それに、腕と肩は細いけど胸郭がしっかりしてるからね！」
まるで新一のような推理をしてみせるコナン君に、私は開いた口が塞がらなかった。
コナン君は「…ってこの前テレビで見分け方やってたんだ」と付け足して笑う。一瞬、彼が小さい頃の新一のように見えたのは秘密にしておこう。
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FenGkaz710(プロフ) - 2章楽しみ (2020年6月16日 19時) (
レス) id: 760679ded1 (このIDを非表示/違反報告)
琴葵(プロフ) - 面白すぎたのでシリーズ化していると思いました……。面白過ぎます！！！更新応援しています！！！シリーズ化大希望です！！！！！ (2019年12月6日 3時) (レス) id: b0ea0349a7 (このIDを非表示/違反報告)
Akiko Tanei(プロフ) - 首を縦に触るのではなく、『振る』ではないですか？ (2019年9月8日 11時) (レス) id: acbd1e9f39 (このIDを非表示/違反報告)
? ????? ?(プロフ) - 第1章おつかれさまでした！すごくすごく続き楽しみにしてるので更新早くして欲しいです(>_<) がんばってください！！♪ (2019年8月9日 1時) (レス) id: e7d5c65650 (このIDを非表示/違反報告)
ぽにー(プロフ) - 茅架さん» 作者様本人ではなくすいません。その文書は合っていますよ！"違わず"というのは"たがわず"と読み、間違わずと言う意味です。 (2019年8月1日 1時) (レス) id: 2d86003c92 (このIDを非表示/違反報告)
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