第４４話 麻美先輩と蘭 ページ45
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「麻美先輩！！！」
炎に包まれた別荘に向かって皆口々に叫ぶ。
先輩が外に避難した様子はないと早坂さんが言い、中でまだ麻美先輩が寝ているのではないかと誰かの声がした。
急いで森本さんが玄関の扉を開ける。中は炎で道が殆ど残されておらず、とてもじゃないが入れる様子ではなかった。
「せッ先輩！！」
「そんな、先輩！ 麻美先輩！！」
「危ないさがって！！」
思わず前に進み出ようとした私と園子を早坂さんが腕で後ろへ押しのける。
もしかしたらまだ燃えていない裏口があるかもしれない。居ても立っても居られずに、私はその場を離れて家の周りを走った。
けれど裏口が見つかるどころか、玄関よりも酷く燃えていて到底中には入れそうになかった。
炎で目がしみて碌に目も開けられない。それでも諦めきれずに探し回っていると、「
駆けつけると、おじさんが野口さんに抑えられていた。
「Aどうしよう！ ら、蘭が中に！！」
「ら、蘭が…！？」
炎が先程よりも強くなっている。
私は恐怖で脚が動かず、その炎をみた。蘭がこの中に飛び込んでいったのだ。
どうしよう。もし帰ってこなかったら…！
こんな時、どうすればいいの。
頭が真っ白になったその時、沢井さんと共に、ヘルメットを被った蘭、そしてコナン君が中から飛び出してきた。
「蘭ッッ！！」
駆け寄ると、抱き上げていた麻美先輩を私に預けて、蘭はその場に倒れこんだ。園子が焦って蘭の名を呼ぶ。
沢井さんが私の腕から麻美先輩を受け取り、やってきた救急車の方へと運んでいく。私は手が空くと園子に寄りかかって動かない蘭に近寄った。
「ら、蘭……」
「大丈夫、ホッとして気を失ってるだけだ」
蘭の顔を覗き込んだコナン君が私を安心させるように微笑んで、そう言った。
後ろからおじさんが走り寄ってきて、眠っている蘭を抱え上げて救急隊員がいる方向へ向かっていった。
「麻美先輩、大丈夫かな…蘭も…」
「絶ッ対大丈夫よ！ ほら、救急車に乗るわよ」
動けない私の腕を掴み、園子が蘭の乗った方の救急車へと引っ張っていってくれる。
ストレッチャーに乗せられた蘭の横に座る場所があり、そこに促されて私達はようやく腰を据えた。
「蘭姉ちゃん、きっとすぐに目を覚ますよ」
「うん……」
ドクドクと心臓が強く拍動している。目の奥に炎の影がちらついたような気がした。
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FenGkaz710(プロフ) - 2章楽しみ (2020年6月16日 19時) (
レス) id: 760679ded1 (このIDを非表示/違反報告)
琴葵(プロフ) - 面白すぎたのでシリーズ化していると思いました……。面白過ぎます！！！更新応援しています！！！シリーズ化大希望です！！！！！ (2019年12月6日 3時) (レス) id: b0ea0349a7 (このIDを非表示/違反報告)
Akiko Tanei(プロフ) - 首を縦に触るのではなく、『振る』ではないですか？ (2019年9月8日 11時) (レス) id: acbd1e9f39 (このIDを非表示/違反報告)
? ????? ?(プロフ) - 第1章おつかれさまでした！すごくすごく続き楽しみにしてるので更新早くして欲しいです(>_<) がんばってください！！♪ (2019年8月9日 1時) (レス) id: e7d5c65650 (このIDを非表示/違反報告)
ぽにー(プロフ) - 茅架さん» 作者様本人ではなくすいません。その文書は合っていますよ！"違わず"というのは"たがわず"と読み、間違わずと言う意味です。 (2019年8月1日 1時) (レス) id: 2d86003c92 (このIDを非表示/違反報告)
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