第２０話 新一の恋人�� ページ21
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「なんで新一が知ってんのよ？ 彼女の電話番号を…」
「ら…蘭、赤木さんと新一は恋人同士なんだから知ってて当たり前だよ…！」
珍しく喧嘩腰な蘭の腕を軽く引く。小五郎おじさんは合いの手のように「だからそーいう仲なんだよ！」と怪しい笑顔を浮かべている。
蘭が微妙な顔をして私を見たその時、コナン君が「ち、ちがうよ！」と叫んだ。
「ボ、ボクが教えたんだよ、ホ、ホラさっき彼女書いてたじゃない！！」
「まさかコナン君、新一をかばってんじゃないでしょーね…」
ジロリと睨みあげる蘭に、コナン君が顔を痙攣らせる。それから蘭は心配そうに私を見た。蘭の目に映ったちっぽけな私は、なんとも言えぬ表情をしていた。
それから蘭は「とにかく！！」と声を荒げた。
「彼女の家に行ってみましょ！！」
「え？ どうして？」とコナン君が聞き返す。
「だって新一が彼女の家に来るかもしれないじゃない！！」と蘭が言い返した。
私は、新一がくるかもしれないという蘭の言葉に胸が跳ね上がった。ようやく会えるかも、そう思ったと同時に、今あったら全て終わってしまう、そんな気もした。
「みんなで行って新一をとっちめてやるのよ！！」
そう言った蘭の言葉に小五郎おじさんは非協力的な態度をとったが、蘭のひと睨みが効いて、コナン君だけは「い、行こーかなー…」と引きつった顔で答えた。
それから量子さんにも「いーわよね？ 量子さん？」と有無を言わせずに許可を取ると、よしとひとつ頷いた。
「Aも行くわよ」と蘭が振り向く。しかし私は首を縦には触れなかった。
「私はちょっと…」
「何言ってるの！ 新一を捕まえてタコ殴りにしてやるのよ！」
「用事があるの…そ、それに人が多いと赤木さんも迷惑だろうし…」
蘭の顔、コナン君の顔が見える。奥には赤木さんの顔。急に胸が苦しくなってきて、目頭が熱くなって、涙が滲み出してきそうだった。それでも、皆の前で泣くことなんて情けなくて出来なかった。
それでも蘭は私の見えない涙に気がついたらしく、ハッとして「A」と私を呼んだ。
隅に置いた学生鞄を掴み取ると、私はそのまま出口扉へ直行した。扉をあけて「じゃあね」と言いながら振りかえると、真っ先にコナン君と視線があった。
「コナン君。新一に、よろしく言っといてね」
「あ…」
そのまま私は探偵事務所を飛び出した。ついに溢れ出した涙は、走る度に風に流され零れ落ちていった。
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FenGkaz710(プロフ) - 2章楽しみ (2020年6月16日 19時) (
レス) id: 760679ded1 (このIDを非表示/違反報告)
琴葵(プロフ) - 面白すぎたのでシリーズ化していると思いました……。面白過ぎます！！！更新応援しています！！！シリーズ化大希望です！！！！！ (2019年12月6日 3時) (レス) id: b0ea0349a7 (このIDを非表示/違反報告)
Akiko Tanei(プロフ) - 首を縦に触るのではなく、『振る』ではないですか？ (2019年9月8日 11時) (レス) id: acbd1e9f39 (このIDを非表示/違反報告)
? ????? ?(プロフ) - 第1章おつかれさまでした！すごくすごく続き楽しみにしてるので更新早くして欲しいです(>_<) がんばってください！！♪ (2019年8月9日 1時) (レス) id: e7d5c65650 (このIDを非表示/違反報告)
ぽにー(プロフ) - 茅架さん» 作者様本人ではなくすいません。その文書は合っていますよ！"違わず"というのは"たがわず"と読み、間違わずと言う意味です。 (2019年8月1日 1時) (レス) id: 2d86003c92 (このIDを非表示/違反報告)
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