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第15話 欠けた幼なじみ ページ16

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「A姉ちゃんは新一兄ちゃんと蘭姉ちゃん、園子姉ちゃんと幼馴染なんだよね?」

 食事の最中に、コナン君が話しかけてきた。

「うん、保育園の時からね」

 今思うと、あれからずっと同じ学校に通っているのはなんだか運命的だ。コナン君は「じゃあ凄く仲がいいんだね」とニッコリ笑った。

「うん。皆、大切な幼馴染………だから、一人でもいなくなると凄く寂しいんだ」

「……それって…新一兄ちゃんのこと?」

 コナン君の私の顔色を伺うような視線で、私は自分がまた元気のない顔をしていたことに気がつき、慌てて笑顔を浮かべた。

「そうだよ。どこにいるんだろうね? もしかしたら外国に行っちゃったりしてるのかな……知ってる? コナン君。新一って英語とても上手なんだよ」

「へえ……ねえ、新一兄ちゃんって大きな事件を追ってるんでしょ?」

「多分ね」と私が答えると、コナン君は「多分?」と聞き返した。

「え、あ…あんまり事件の話はしないから……はっきりどうとは言えなくて…でも勿論これだけ長い間顔を見せないなら、そうなんだと思うよ」

「A姉ちゃんはどう思うの?」

「うーん……まず新一が生きてるのかもよくわかんないし…あ、でもコナン君はたまに会うんだっけ?」

「う、うん。新一兄ちゃん、ちゃんと生きてるよ」

「ふふ、知ってるよ。でも顔が見られないとね、なんだか幽霊と会話してるみたいな変な感じがするのよ…本当に電話の向こうにいるの、新一なのかなって思っちゃうの」

 私はそこまでいってハタと気がつき「SF小説の読みすぎだね」と苦笑を漏らした。
 コナン君は不思議と何か深く考え込んだ顔をしていた。

「…コナン君、どうかした?」

「え? あ、ううん! …し…新一兄ちゃんが幽霊だったら怖いなって思っちゃって…」

「あはは、可愛い」

 身を震わせてみせたコナン君は、それから「A姉ちゃん、ご飯冷めちゃうよ」と私のオムレツを指差した。
 新一の話をしていると、いつのまにか食べることを忘れてしまっていたらしい。コナン君はもう食べきったのか、私の食べる様子を笑顔で見守っている。

「そういえば、コナン君私に聞きたかったことって何?」

「……忘れちゃった!」

 記憶力の高い彼にしては珍しいことだ。
 店に入るまではかなり何かについて話したがっていたように見えたが、忘れた今ではもう興味がなくなったらしい。
 私は不思議に感じて、コーヒーを飲んでいるコナン君を眺めた。

 

第16話 彼女の本音→←第14話 ねだり上手



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FenGkaz710(プロフ) - 2章楽しみ (2020年6月16日 19時) (レス) id: 760679ded1 (このIDを非表示/違反報告)
琴葵(プロフ) - 面白すぎたのでシリーズ化していると思いました……。面白過ぎます!!!更新応援しています!!!シリーズ化大希望です!!!!! (2019年12月6日 3時) (レス) id: b0ea0349a7 (このIDを非表示/違反報告)
Akiko Tanei(プロフ) - 首を縦に触るのではなく、『振る』ではないですか? (2019年9月8日 11時) (レス) id: acbd1e9f39 (このIDを非表示/違反報告)
? ????? ?(プロフ) - 第1章おつかれさまでした!すごくすごく続き楽しみにしてるので更新早くして欲しいです(>_<) がんばってください!!♪ (2019年8月9日 1時) (レス) id: e7d5c65650 (このIDを非表示/違反報告)
ぽにー(プロフ) - 茅架さん» 作者様本人ではなくすいません。その文書は合っていますよ!"違わず"というのは"たがわず"と読み、間違わずと言う意味です。 (2019年8月1日 1時) (レス) id: 2d86003c92 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:黒猫@さかなねこ | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2019年6月18日 21時

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