第３２話 初恋の人 ページ33
＊原作沿い有り
「なーんでこの園子様が、新一君家の掃除しなきゃいけないのよ！！」
箒を片手にした園子の文句がホール型の図書室に反響する。
今日ばかりは大掃除なので蘭と園子にもきてもらい、例の如く博士から合鍵を借りて、私達は新一の家に掃除をしにやってきた。約束した通りコナン君も掃除を手伝いにきてくれている。
盛大な溜息をついた園子は、箒に顎をのせて残念がった。
「今日びの
あたしゃ情けないよホント…と、容赦ない言葉を連ねた園子に、本の埃を払いながら私は苦笑いをした。
「ねえ、初恋っていえば…Aは気にならないの？」
埃を払った本を本棚にしまいながら蘭が不意に私に尋ねかけてきた。可動式階段に立って、はたきをかけていた私は手を休めて蘭を見おろした。
「何が？」
「新一の初恋の人よ」
「え？」と園子、私、そして何故かコナン君の声が重なる。うっかり私は埃まみれのハタキを下に落としそうになった。
新一の初恋の人。確かに気になる…とは恥ずかしくて言えずに私は「どうだろう」と曖昧な返事をした。
「でも、多分恋はしてると思うよ。一つ二つくらい…」
「どうだか…あの男、その方面は超ニブでタンパクだからねー…」
私の返事に、園子は些か皮肉げな笑みを浮かべた。なんだかこのままでは落ち着かないと思い、私は可動式階段からゆっくりと下へ降りて話に混じった。
「まーせいぜいあの美人の母上か…」
「あ、それはありえるかも…」
「テレビのアイドルかもよ」などと思案を巡らした園子と蘭が、チラリと突然私を見た。
「……ひょっとして、Aかも？」
「えっ」と上擦った声が出てしまう。一瞬間、頬に熱が走り、私は慌てて苦笑いをみせた。
「そ、それはないよ…！ だって、新一目が肥えてそうだし、それに幼なじみなだけだもん…」
「フーン、でもAは幼なじみの新一君が好きなんでしょ？」
「初恋も新一だったりしてね」
次々とからかいを投げかけてくる蘭と園子に、私は全力で否定を示したが、暖簾に腕押し糠に釘といった状態。とはいえ実際は図星なのだけれど、コナン君に聞かれたら新一にどう伝わるかわからない。
そうして私が必死な奮闘を繰り広げる最中、突如インターホンの音が家に響き渡った。
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FenGkaz710(プロフ) - 2章楽しみ (2020年6月16日 19時) (
レス) id: 760679ded1 (このIDを非表示/違反報告)
琴葵(プロフ) - 面白すぎたのでシリーズ化していると思いました……。面白過ぎます！！！更新応援しています！！！シリーズ化大希望です！！！！！ (2019年12月6日 3時) (レス) id: b0ea0349a7 (このIDを非表示/違反報告)
Akiko Tanei(プロフ) - 首を縦に触るのではなく、『振る』ではないですか？ (2019年9月8日 11時) (レス) id: acbd1e9f39 (このIDを非表示/違反報告)
? ????? ?(プロフ) - 第1章おつかれさまでした！すごくすごく続き楽しみにしてるので更新早くして欲しいです(>_<) がんばってください！！♪ (2019年8月9日 1時) (レス) id: e7d5c65650 (このIDを非表示/違反報告)
ぽにー(プロフ) - 茅架さん» 作者様本人ではなくすいません。その文書は合っていますよ！"違わず"というのは"たがわず"と読み、間違わずと言う意味です。 (2019年8月1日 1時) (レス) id: 2d86003c92 (このIDを非表示/違反報告)
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