File：08��監視��主人公side ページ10
「そっかあ。話には聞いてたの、凄く頭の良い男子高校生がいるって！」
ひとり懐かしむように言っては、感心したようにそう言った佐藤刑事。あの人が何を話したかは知らないけれど……直接褒められる事も中々ないので、気恥ずかしくなりながら明美さん達の時のように本来の仕事に戻るべく軌道修正する。
注文を受けている際に聞こえた扉の開く音に話し声、複数の足音に団体客が到着したのだろうと思いながらキッチンへと戻った。
「親父達に捕まってた？」
「そんなとこ」
注文を伝え終わったところで一緒にドリンクの準備をしてくれていた香月が笑いながら言う。頷けば、久しぶりだったしそうなると思ってた、と喉を鳴らしながらまた笑った。
「ごちそうさま！凄く美味しかったです」
「ありがとう。良かったら、また来て頂戴ね！」
頼まれた物を運び終えて、ある程度落ち着いた頃。夕食や話を終えたらしく、にっこりと笑って会計を済ませる明美さん。会計をするおばさんが笑顔でそう言った。
「シホさん、だったか」
何やら話す明美さんとおばさんを置いて、扉を開ければ先にシホさんが出て来て、話し掛ける。一瞬、不思議そうにしたものの、直ぐにそうだけど、と頷いた。
「後から店に入って来た二人組、知り合いだろ？ 後、電柱の近くに止まってる車に居る人達も」
「！ どうして…分かったの？」
「最初の二人組は店に入って来た時、やけに明美さんとシホさんを気にしてた。それに車の助手席にいる男…明美さんと出掛けた時によく見掛けた。── まるで、監視してるみたいにな」
「！ 此処から顔が見えたって言うの？」
なるべく車の男達には視線は向けず、たわいもない話をするように見せる。一度だけ見られている事を、明美さんに指摘した事はある。
その時、彼女は困った表情を浮かべながら何者か知っているから大丈夫だと言っていた。( その時は触れられたく無さそうだったのもあり、ストーカーの類ではないなら良いと深くは触れなかったが )
シホさんの表情を見るからに、彼女もまた正体を知っているのだろう。快くは思っていないかもしれないが。( 寧ろ、疎ましく思っている様にも見える )
「煙草の火を付けた時に。…医者によれば、人より五感が異常発達してるらしい」
「そう、でも深くは触れない方が良いわ。── 死にたくなければ、ね。…ふふ、でも貴方程、優しい人ならお姉ちゃんを見捨てて逃げたりはしないのかもね」
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File：09��帰り支度��主人公side→←File：07��刑事組��主人公side
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紗羅(プロフ) - 架印�靴気�» 大変お返事が送れました……！その作品です〜！私も学生時代に読んだり、アニメ見たりしました！共感して頂いて嬉しいです！ (2020年2月16日 23時) (
レス) id: d095ed95fc (このIDを非表示/違反報告)
架印��(プロフ) - File41の安楽座椅子探偵物って、桜庭先生の“GOSICK”ですか？もしその小説であれば、私が高校生だった頃にハマって読むようになった小説なので、とても共感出来そうです。面白いですもの！ (2019年3月7日 0時) (レス) id: cb6e7377c2 (このIDを非表示/違反報告)
紗羅(プロフ) - かなたさん» コメント有難うございます！そう言って頂けるととても励みになります。良ければ、続編も宜しくお願いします！ (2017年12月23日 22時) (レス) id: 8b4b0b36f7 (このIDを非表示/違反報告)
かなた - とても面白いです。更新楽しみにしてます！ (2017年12月23日 21時) (レス) id: a1ab06392a (このIDを非表示/違反報告)
紗羅(プロフ) - 小娘さん» コメントありがとうございます。そう言って頂けて嬉しいです！ (2017年11月16日 14時) (レス) id: 8b4b0b36f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紗羅 | 作者ホームページ：https://mobile.twitter.com/__Rain__Oo_
作成日時：2017年9月5日 22時
