【名探偵コナン】 My Precious _ 2 【男主】 (ページ42)

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File：90￤暗転、悲鳴￤コナンside ページ42

「では皆さん！酒巻監督が以前、ひた隠しにしておられた秘蔵ファイルをスライドで御覧にいれましょう！」

Aさんの言葉に引っ掛かりを覚えて尋ね返そうとした時、聞こえて来た司会者の声。( ス、スライド！？ ) やばいと思った瞬間、一瞬で会場は暗くなった。

「ちょっと彼、居なくなってるわよ！？」

「なに！？」

灰原の言葉に先程まで呑口議員が居たはずの場所を見るものの、其処に彼の姿は無く。Aさんと手分けするも、全然見つからず。

「さぁ、皆さん！これはいつどこで撮られたフィルムか分かりますか？そう…あらゆる賞を独占した酒巻監督の代表作！＂虹色のハンカチ＂の撮影風景…まだ監督の髪の毛が寂しくなる前の貴重な１コマでございます！｣

明るく聞こえて来るアナウンサーの声も、周りの笑い声も、今は少し煩わしく感じてしまう。( くそっ、何処だ！？ ) ( 何処に行きやがった！？ )

── パシャッ

( え？フラッシュ？ ) 唐突にシャッター音が聞こえたかと思うとフラッシュで一瞬、足を止める。

「あ、どなたか知りませんがいくら貴重な一枚だといっても、フラッシュたいたらスライドは写りませんよ！｣

── キュイン

( なんだ！？ ) ( なんだ、今の音？上か！？ ) フラッシュや司会者の言葉からそう置かずに聞こえた、奇妙な音。何だと上を見上げた、その瞬間 ──

── ドッシャァァアンッ

( なに！？ ) 激しく響いた音。それは何かが落ちた音だと言うのは直ぐに理解出来た。明らかに異常な事態に招待客達に動揺が広がり、誰かが明かりを点けろ！と叫ぶ。その時、オレの頭に落ちて来たのはハンカチだった。

「きゃあああああああっ！」

明かりが点いた瞬間、聞こえた劈くような悲鳴。狼狽、困惑する声。様々な声が一気に耳を通り抜ける。

「Aさんは見ない方が良い！」

ハッとすると、人ごみを掻き分けて前に出ようとするAさんの腕を引いて、それ(・・)から遠ざける。

「……もしかして、止められなかったのか？」

「…うん」

激しい音、悲鳴の原因。…それは大きなシャンデリアに押し潰され、血だらけになって倒れる呑口氏の無残な姿が有った。

「皆さん、お静かに！！警視庁の目暮です！！その場から動かんで下さい！！」

戸惑う周りに警察手帳を見せながら、大きな声でそう言った目暮警部。高木刑事が生死を確認するものの、結果は後者のようだった。

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