【名探偵コナン】 My Precious _ 2 【男主】 (ページ41)

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File：89￤念には念を￤主人公→コナンside ページ41

「…にしても、興味はなかったんじゃなかったのか？」

「仕方ないじゃない…あの薬を作ったのはこの私。もうあなたに人殺し呼ばわりされたくないもの…」

標的(ターゲット)が誰かと言う話を工藤としながらやって来た偲ぶ会の入口。そして身を隠すように歩く志保さんに視線を向けた工藤。

どうやら最初は着いて来るつもりは無かったらしいが、薬の話を聞いて気が変わったよう。

「でも気をつけろよ？発信機を仕掛けた主がここに来る事ぐらい奴らにも読める。おまえが関わっていると奴らに感づかれたら…」

「大丈夫よ…証拠は消したんでしょ？イタズラか、せいぜい組織に敵対する誰かが仕掛けたと思うぐらいよ…」

「それでも危険な事に変わりはない。それに命令を受けたのがピスコでも、それが此処にひとりで居るとは限らないだろう。── 敵が居ると分かってる以上、気を抜かない方が良い」

「うん、分かってる」「……それも、そうね」

「それから子供だけの方が誰かの連れだと思われて、怪しまれる可能性が少ないだろう。先に目暮警部に連絡するから、変声機貸してくれないか」

お願いと蝶ネクタイ型変声機を渡してくれた工藤に礼を言ってから、それを使って公衆電話で目暮警部へと連絡した後、トイレへと向かった。

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灰原と共に中へ入って辺りを見回せば…直本賞の女流作家、プロ野球球団オーナーや敏腕音楽プロデューサー、アメリカの大人気女優、有名大学教授、経済界の大物。── 巨匠を偲ぶ会とだけあって、そうそうたる顔ぶれ。

そしてジンの言っていた標的(ターゲット)に当て嵌るのは、6時前後に此処に来て尚且つ、明日にも捕まりそうな人物。

それは ── 収賄疑惑で新聞上や世間を賑わせている、政治家の呑口重彦氏しか居ない。( Aさんもあの人が此処に入るのを見て、気付いてるようだったし )

「工藤」

「Aさ………！？」

目暮警部達が入って来るのが見えて、早かったなと思って居れば名前を呼ばれて、振り返る。確かにAさんの声だった筈なのに、振り返った先には全く別人の姿。( でも手には俺の変声機有るし、スーツはAさんが着てたのと同じブランド… )

「そんなに吃驚せずとも、俺で合ってる。向こうが俺の事なんて覚えてる(・・・・)とは思わないが…さっき言ったように油断大敵。念には念を入れただけ。……変装が出来るのは有希子さんだけじゃ無いからな」

「…ああ、成程」

( ん？覚えてるとは思わないって ── )

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