【名探偵コナン】 My Precious _ 2 【男主】 (ページ30)

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File：78￤熱と、悲しい事件の幕開け￤主人公→第三者side ページ30

「38.5…これで良く平気な顔してたね？まあ、上がったのは放課後辺りからかもしれないけど…」

試合は香月達三年チームの勝利で終わり、俺にもチームプレーでの強さを示せた事に満足出来たらしい。( 傍から見れば何やってるんだと言う感じの上、 ) ( 授業でやった時に俺ひとりの力で勝てた記憶は無かった筈だが )

── そして部活終了後、新出先生の実家であり、病院でも有る場所へとお邪魔すれば、朝から気になっていた咳の正体は風邪によるものだったようで。

体温計の数値を見ながら呆れたように呟いたように呟いた先生に、すみませんとしか言い様が無く。( 自分でも気付かないもので ) ( 確かに、いつもより食欲は無かったが )

「取り敢えず、ひかるさんが分けてくれたゼリーを食べて ── 」

熱だと気付いた所為か、やけに眠気が襲ってうつらうつらとしていれば、ゼリーとスプーンを差し出した先生。どうやら薬を飲む前に胃に何か入れろと言う事らしい。

ひかるさんってお手伝いさんだったかと思いながら返事も儘ならないまま、受け取ってそれを口にすると程良く冷えたゼリーが喉を通るのが分かった。

「それから僕の服で悪いけど、制服のままよりマシだろうから」

そしてその後も言われるがまま着替えたり、薬を飲んだりとしてベッドに寝転ぶと体がそれを待っていたかのように、あっという間に眠気が襲って、目を閉じた。

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「…全く、自分の異常にも気付かないなんて」

呆れを含んだ声で小さく呟く新出先生の視線の先には決して穏やかとは言えない様子で眠るA。その額に浮かぶ汗をタオルで吹くと、慣れたよう手つきで熱冷まシートを貼る。

そして目覚めた際に、直ぐに水分が取れるようにと傍にミネラルウォーターを置いた。── そもそも、新出智明とAの出会いは数年前になるのだが…それはまた別の話。

「智明さん、連れて来た子の具合どうなの？」

「あ、今眠った所です。扁桃腺も腫れてましたし、咳の症状も有った様ですから風邪ですね」

音を立てないようにゆっくりと開いた扉に振り返れば、其処には父・義輝の後妻であり、智明の養母となる陽子の姿。

椅子に掛けていたAの制服を、掛けておくわねと別の場から持って来たハンガーに掛ける陽子に智明は頷いてから礼を告げた。

「夕食の準備出来たから、大丈夫そうだったら来て頂戴ね。あ、そうそう…聞いたかもしれないけど毛利さん達もいらっしゃるから」

「はい、直ぐ行きます」

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