【名探偵コナン】 My Precious _ 2 【男主】 (ページ29)

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File：77￤新出智明￤主人公side ページ29

「何か傍から見てると馬鹿みてーな会話しかしてねえからな！」

「わはは！間違いねえわ」

香月の突っ込みに笑う3年達。( 本当に馬鹿みたいにテンション高い奴ら ) ( まあ、受験近くてストレスも有るから発散させようとしてる部分も有るんだろう )

「あれ、誰かと思えば…A君じゃないか」

「お久しぶりです、新出先生」

試合が始まったところで何処に居ようかと迷っていれば、声を掛けられて振り返ると先程まで見ていた新出先生で。

「そうか、さっき囲まれたのはA君だったんだね」

「嗚呼、すみません。煩くして」

「いやいや、賑やかなのは良い事だよ。A君なら尚更。あ、勿論…無理は駄目だけど」

「分かってます。それに…向こうも俺がそんなにテンション上げられない事も知ってますし」

「そっか、それなら良いんだ。……それにしても最近眠れてなかったりする？薄らとクマ出来てるけど」

にっこりと人を安心させる笑みを浮かべた新出先生は、少し考えた素振りを見せた後に俺の顔をじっと観察する。( コーチって言うよりは医者の顔になってる )

「…実は最近、頻繁に昔の出来事や夢を見るようになったんです。バラバラだったパズルのピースが繋がるみたいに…幸せだと感じる記憶だったり、何て事無いような会話だったり、」

( ── 悲しいと感じる記憶だったり ) 何故か最後は声にならなくて、自分でも少なからず戸惑う。けれど、それを見透かすように再び優しく笑った。

「今日はお姉さんと一緒に夕食を？」

「嗚呼、いえ…昨日から友人と旅行に出掛けてますけど」

「なら、家に来ないかい？って言ってもA君も知るように病院だけどね」

「でも、ご迷惑じゃ」

「迷惑なんて事は全然無いよ」

「じゃあ、お言葉に甘えて。…けほ、」

「もしかして、――」

「新出せんせー！話してないで、ちゃんと試合見ててくれよ！！Aも！！」

頷いたところで、朝から気になっていた咳がまた出て来る。新出先生も何か言い掛けたものの、コーチとして試合の行方を無視する訳にも行かず。また後で、それからパイプ椅子に座ってて良いからと口にした先生に頷いた。

「香月！！」

「おうさ！」

後輩がドリブルしたボールを素早く奪った三年の内の一人、須藤が香月へとパスを出す。それを受け取った香月は糸を縫うように相手のディフェンスを抜けて行く。

「 ── 一点、頂きまぁーっす！」

そしてぐっとジャンプをすると、多少音を立てながらダンクシュートを決めた。( 相変わらず派手な事が好きだな )

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