【名探偵コナン】 My Precious _ 2 【男主】 (ページ28)

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File：76￤バスケ部￤主人公side ページ28

――「おれたち、家に帰れんのかなあ…」

「…Aー？寝てんの？」

「…嗚呼、香月か。悪い、少し転た寝してたみたいだ」

「珍しいな、Aが人前で寝るなんて。…バスケ部見に行くの止めとくか？」

「久々に引退した3年が集まるんだろう？見学させて貰うって言ったからな」

ホームルームが終わってパラパラと帰る人が見える中、トイレに行くついでに着替えて来ると言った香月を待つほんの数分の間にどうやら少し寝てしまったよう。

なら行くかと笑う香月に頷いて、鞄を取ると椅子から立ち上がり、体育館へと向かった。

「……けほ、」

── 香月と進路の話をした時から、蓋が開いたように昔の事(・・・)を思い出すような出来事や、夢を見る事が増えた様に思う。( …その所為とは言わないが、寝不足と言えば寝不足で )

「お！早いなーっ、皆」

「お前が遅せェんだよ、香月！」

「まあまあ、Aを連れて来たんだから許せって！」

体育館へと着けば、既に他の3年は着替えを済ませた状態で。どうやら一番遅かったのは香月のようだった。( まあ…多分、他はHR終わった瞬間に教室を飛び出して行ったようなものだろうけど )

「おーっ！応援と言えど、来るなんて珍しいな！？」

「お前達にあれだけ、しつこく誘われたらな」

「「「ははは！間違いねえ！」」」

「まあ、チーム全員揃ってないとは言えど…Aには体育ん時、負ける事多いからなァ。＂本当は強いんだぜ！＂って事を証明しねえと！」

一斉に笑う3年達と、続けて口にした香月。後輩は置いてけぼりを食らったようにぽかんと此方を見詰めているだけだった。

「三年生も揃ったようだし、準備運動から始めようか！特に三年生の中には久々に動く人も居るようだから、しっかりして下さいね。怠ると怪我の元ですから」

体育会系独特の返事をした三年は慣れたように一、二年に混ざるようにランニングから開始する。指示を出した人を見れば、其処には新出先生の姿。( 嗚呼、顧問の田縁先生は骨折で入院してるのか ) ( それに普段は医者だから、予防もしっかりしてる )

「良いよなあ…今の一、二年は。新出コーチの指導受けられんだから！オレもコーチの指導受けてみたかったわー！」

「おま、それは田縁先生に失礼だから！それに先生は昔から此処の高校で教えてんだからさー」

「あれ、てことは指導内容的にはそんなに変わらねえのか！」

「多分な」

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