【名探偵コナン】 My Precious _ 2 【男主】 (ページ27)

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File：75￤言葉と気持ち￤黒羽side ページ27

「格好付けた事を言ったが…兎に角、悔やんだって時間を巻き戻せる訳じゃ無い。冷たいと思うかもしれないが、止めたいって気持ちが人を救う事もある」

だから、その気持ちを忘れるな。

そう続けたA先輩は俺の頭を優しく撫でる。その手が酷く優しくて、思わず視界が霞むのを感じるとそれをぐっと堪えて、こくりと頷いた。

「…自分でも何が言いたいか分からない部分も有るが、お前なりに分かったなら良い。……そろそろ起きろ、足が痺れる」

ポンポンと背中を軽く叩かれて、のそのそと起き上がる。俺の顔を見て、珍しくふと小さく笑ったAさんは飲み物取って来ると部屋を出て行った。( 若しかして、ひでー顔してた？ )

「…黒羽、夕飯どうする？」

「え？あー、適当に食べるつもりで居たけど…」

「なら、外で食わないか。姉さんは夕食要らないって連絡来たし、冷蔵庫にも大した食材入ってないから」

「お、行く行く！」

来た時よりは少し軽くなった気がして、A先輩の部屋でありながらそれぞれ時間を過ごしていれば、先輩の携帯が着信音が鳴る。どうやら、相手はお姉さんだったよう。

「つっても、どこ行くの？」

「俺は香月の母親がやってる店しか知らないが…何処か行きたい場所が有るなら付き合うぞ」

「俺もそんなに知ってる訳じゃ無いし、南雲先輩ん家の店行ってみてー」

俺の言葉に了解と頷いた後、携帯を出したA先輩は何やら文字を打ち始める。そして閉じたかと思えば、一分も経たない内に着信音が鳴って。

「……店は開いてるらしい、6時くらいには行くようにするか」

「りょーかい！」

どうやら南雲先輩に店が開いているか確認するメールを打ったらしく、余りにも早い南雲先輩の返事に驚きながらもそう返した。

「あら、いらっしゃい！香月から聞いてたわ。好きなところに座ってね！」

6時になった頃、徒歩でやって来たお店。見た目よりも奥行が有る内観に気を取られていれば、南雲先輩の母親と思われる人と話したAさんは早々に席に着く。

慌てて後に続くように座れば、メニューを渡される。( うお、めっちゃ安い ) ( あ、この近くに大学有るからだっけ )

「お、黒羽と一緒に来たのか！ゆっくりしてけよー」

「あ、南雲先輩」

「店番か？」

おしぼりを持って来てくれた店員さんに顔を上げれば、それは南雲先輩で。A先輩の言葉に頷いた後、＂店にA達来るって言ったら、手伝って＂って言われたーとけらけら笑った。

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