【名探偵コナン】 My Precious _ 2 【男主】 (ページ21)

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File：69￤迷い￤主人公side ページ21

── あれから数日…あの少女は〝灰原哀〟として新たな名で、新たな生活を送る事に。( ほぼ博士が考えた名前で ) ( 工藤を真似てふたりの女探偵をもじったもの )

恐らく今頃はランドセルを背負って、自己紹介でもしている頃だろう。( 彼女の性格からして多くを語るとは思わないが )

「あ、それって三日前の爆破事件だろ？それについて何か考えてんの？」

「…いや」

三日前…丁度、彼女が組織から抜け出したくらいの頃だろう。その日に起こった薬品会社爆破事件を携帯で検索していれば、画面を覗き込みながら首を傾げた香月。そして俺の煮え切らない答えに、彼は益々首を傾げた。

彼女曰く、この会社は研究所を兼ねており、そしてこの研究所で研究をしていたらしい。彼女の口から情報を漏れる事を危惧した組織の犯行だろうとの事。( 組織として徹底してると言えば、徹底してる )

「……なあ、香月」

「ん？」

「例えば兄弟、親、恋人…取り敢えず誰でも良いんだが…何かをキッカケに離れ離れになったとするだろ？そしてずっと探してた人の情報聞いたり、行方を知ったら会いたいと思うよな？それが危険を招くとしても」

「ん、んん？あーまあ、ずっと探してたなら…そりゃあ会いたいだろ。その招く危険ってのが何なのか分かんねーけど」

「…例えば探してた相手が犯罪に巻き込まれてるとして、会いに行けば自分や相手の命が危ないとか」

「エッ、ドラマみたいな話だな。…うーん、それでもずっと探してたんだろうから、その危険を犯してでも会いに行くんじゃねえかなあ」

「…だよな」

突然切り出した話にも関わらず、真面目に考える様子を見せる香月。そして絞り出すようにそう言った。

── 彼女は命懸けでAPTX4869(あの薬)を飲んだんだろうから、組織を裏切ったのは本当だと信じて良いだろう。( 後から博士に聞いた話では有るが、薬を飲んだきっかけは姉である明美さんの死だったらしい )

けれど、組織は裏切り者…それも中核に居た人物を易々と見逃すとは思えない。( 研究所の件も兼ねて余計そう思える訳で ) ( どう考えても真実を話すのは今じゃない、よな )

「え、まさか…何か危ない事に首突っ込んでんの？」

その言葉に否定の意を込めて首を振れば、分かり易い程にじゃあなんで？と言いた気な表情をした香月。そんな彼に肩を竦めて、忘れてくれと続けた。

「変な奴だなー」

「……一言、余計だって言ってるだろ」

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