【名探偵コナン】 My Precious _ 2 【男主】 (ページ16)

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File：64￤黒羽家￤主人公side ページ16

あれから少し。組織と取引したと言う事で、中島さんには藤咲さん達の監視が着いていたようだが…どうやら組織が接触してくること無く、対象から外れたよう。

そして、もうひとつ印象的だった出来事と言えばホームズ好きが集まるツアーへと参加した筈の工藤。その彼から電話が来たかと思えば、西の高校生探偵である服部に正体がバレたとの事。

何故、其処に服部が居るのかと当然の疑問を問えば、彼はまだ工藤を探す事を諦めていなかったらしい。( 本当に物好きな奴と、つい本音が漏れてしまったのも此処だけの話 )

彼相手に、こそこそする必要は無くなったと考えれば、或る意味良かったのでは無いだろうか。( 組織の事に巻き込むのは危ないとしか言えないが )

「A先輩さー、＂江戸川コナン＂って知ってる？」

「嗚呼、知ってるが…それが？」

毛利に正体がバレかけた際には、優作さんと夫婦喧嘩して日本に戻って来ていたと言う有希子さんに助けられたと言う話も聞いた。

色々と起こる中で、お邪魔していたのは黒羽が実質一人で暮らす家。そんな彼は風邪気味のようで先程からくしゃみや鼻を啜っていた。

「アイツ、何者な訳？暗号解いてビルに来るわ、この間入った所で変装見破られるわで散々なんだけど」

お陰で逃げ道は海しかねーし、と口にしたと同時にまた大きなくしゃみをする黒羽。( まあ、船上となれば空以外に逃げ道は海しか無いのは当たり前で。) 小さく肩を竦めてから、その手に握られたひとつの新聞に視線を向ける。

〝怪盗キッド撃退！？漆黒の星(ブラックスター)をたった一人で死守！！お手柄小学生〟と言う大きく書かれた見出しと、下手くそな笑みを浮かべながらピースする＂江戸川コナン＂の写真が載せられていた。

「…何者と言われてもな、頭の良い小学生としか」

何も知らない黒羽に、＂江戸川コナン＂の本来の姿が＂工藤新一＂なのだと勝手に話す事も出来ず。( まあ、若しもこれからも関わる事になるのなら…お互いにバレそうな気もするが )

「探偵とか言ってたけど、小学生のクセに生意気だろ」

「生意気かどうかはさて置き、本当に親父さんの後を継いだんだな」

「ん？まあーね。寺井ちゃんに話聞いちまったら、俺だって真相知りてーし。それよりも俺はA先輩が親父が〝KID〟だって事を知ってた方が驚きだったけど」

「…まあ、俺も色々有るからな」

「色々ねえ…A先輩って結構、謎だよなぁ。まあ、話す気ないんだろうから無理には聞かねえけどさ！」

「…嗚呼、助かる」

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