【名探偵コナン】 My Precious _ 2 【男主】 (ページ11)

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File：59￤爆発￤主人公side ページ11

「あ、オレや…」

荷物を受け取った後、自販機前に有る公衆電話で何処かへと連絡する大男。タイミングが良いのか悪いのか、工藤がその自販機で何やら飲み物を買おうとしていて。

「テキーラや…」

その一言を聞いた時、え？と驚きに目を見開きながら振り返る工藤。そして藤咲さんにも目を向ければ、ターゲットとの名前は一致したようで、会話がちゃんと聞こえる方へと移動を開始した。

「ああ、ぬかりはない。フフフ、心配すんなや…ウォッカ。夕方までにはそっちに合流する。そうジンに伝えてくれや」

ジンとウォッカの名前が出た瞬間、動揺した工藤の手から財布が滑り落ちる。その中から零れた小銭が音を立てながら地面へと散らばった。

その音は電話先の人物達にも聞こえたようで、テキーラと名乗った大男がガキが小銭をぶちまけたと簡潔に説明した。

電話を終了して、藤咲さんは内容をイヤホンマイクで伝える。そして合流する場所までは分からず、尾行すると続ける。

そんな中、小銭を拾う振りをして大男の靴の裏に博士の作ったボタン型発信機を付ける工藤。( 盗聴器も兼ねるようになったんだから博士も益々凄い )

大男には蹴られてしまったが様子を見るに無事に付けられた様。藤咲さんを見た後、トイレへ入った男の後を追った工藤を、更に追えば吃驚したように目を見開いたものの、先程の話を同様に聞いていたと言えば納得した様子だった。

《へ…やな…なんやコレ…入れへんぞ…ん？あいてるんか。 ……あ》

「「え？」」

集音機の代わりとなる工藤の眼鏡に耳を近付ければ、雑音混じりに聞こえた大男の声。トイレの扉かと思ったのも束の間、

─── ドォン

真っ白な光がトイレから見えたかと思えば、直ぐに聞こえた爆音。思わず耳を塞いでしまったけれど、どう考えても爆発音で。工藤と共に直ぐにトイレへと駆け込んだ。

「…それ」

「うん、男の靴だよ」

まだ煙も立ち込める中、トイレ内は悲惨な事に。そんな中で工藤が見付けたのは男の身に付けていた物で唯一、無事だったらしい盗聴器の付いた靴。それを見ると悔しそうに拳を地面に叩き付けた。

「Aくん、こんな事予想してなかったから上司に連絡して来るね…って顔、怪我してるけど大丈夫？」

「嗚呼、なんて事は無いです」

大男が爆発に巻き込まれた事を聞いた藤咲さんは一瞬、頭を抱えたものの直ぐに切り替えたよう。

そしてふと俺の顔を見ながら自分の頬に触れた彼女を、真似てみれば僅かに指先に付いた血。爆発の衝撃で破片が顔に掠った様だった。

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