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「お、照島。どこ行ってたんだ？」
もう俺らの番だぞ、と言う声が飛んでくる。
「ああ、ちょっと呼ばれたから出てた」
「呼ばれたって」
「あれ、聞こえなかったか？」
噂話、これもそのうちに入るのだろうか。いやきっと入らない。
Aがさっきあんなことを言ったのは、俺がその前に変な奴呼ばわりしたのを聞いてたからだ。
今はもう行ってしまったけど、Aの名前を出すとやっぱり変なことを言ってしまいそうだから、今後気をつけようと思う。
「ユウジくんユウジくんって」
「？ いや？」
「まあ結構小声だったから聞こえなかったのかもな」
よーし、勝ってやらぁ！
気持ちを切り替えて、俺はそう叫ぶ。チームメイトは一瞬 間の抜けた顔をしてたけど、俺に続いて叫び出した。
***
「集合ー」
最後のメニューである紅白戦が終わってから５分後、みんなが水分を摂ったのを確認して声をかける。
そこから監督からの話があって、コートに礼をして、終わり。荷物をまとめた奴らから解散する。
外に出てて、なんとなくAの姿を探す。何を期待してたんだって感じだけど、紅白戦で俺結構活躍してたから、見ててくれてたりしないかなーなんて。
「なんか探してんの？」
キョロキョロと辺りを見回す俺を見た二岐が問いかけてくる。
「いや別に、いないかなーって」
「探してんじゃん」
俺の答えにケラケラと笑う二岐。
いや、探してるんじゃなくて。なんて言えばいいかわからないけど、探してる訳ではない。
「そういえばさっき呼ばれたって言ってたな」
「なんだ女子か」
「ちげーって！」
東山も加わって、更にガヤガヤとなる周り。
なんでもかんでも騒ぎまくるのが俺らだけど、 時に賑やか過ぎるのもまた事実。華さんに、近所迷惑だからやめなさいって注意された。
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作者名：蒼羅 | 作成日時：2018年5月5日 20時
